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〈時代の正体〉虐殺隠ぺい「お墨付き」 朝鮮人追悼取りやめ都知事に抗議声明

時代の正体 神奈川新聞  2017年09月16日 22:09

9月1日、東京・両国の横網町公園で行われた関東大震災で虐殺された朝鮮人の追悼式典
9月1日、東京・両国の横網町公園で行われた関東大震災で虐殺された朝鮮人の追悼式典

【時代の正体取材班=石橋 学】東京都の小池百合子知事が関東大震災で虐殺された朝鮮人の追悼式典への追悼文送付を取りやめた問題で作家やミュージシャン、学識者らが15日、抗議声明を出した。

 「多民族都市・東京の多様性を豊かさとして育んでいく上で、関東大震災時の朝鮮人虐殺という『負の原点』を忘れず、民族差別によって非業の死を遂げた人々を悼むことは重要な意義を持っている」と指摘。小池知事の判断が「史実を隠ぺいし歪曲(わいきょく)しようとする動きに東京都がお墨付きを与えてしまうのではないか。差別による暴力を容認することで、災害時の民族差別的流言の拡散に再びつながってしまうのではないか」との危惧を表明している。

 声明は21人が賛同。朝鮮人虐殺に関するノンフィクションの著者、加藤直樹さんや小説家の平野啓一郎さん、専修大教授の田中正敬さんらが名を連ねている。



 私たちは、9月1日に行なわれた朝鮮人虐殺犠牲者追悼式典に対しての追悼メッセージ送付を取りやめた小池百合子都知事の決定に、抗議します。多民族都市・東京の多様性を豊かさとして育んでいく上で、関東大震災時の朝鮮人虐殺という「負の原点」を忘れず、民族差別によって非業の死を遂げた人々を悼むことは重要な意義をもっていると考えます。

 1923年9月1日に発生した関東大震災では、都市火災の拡大によって10万5000人の人々が亡くなりました。その直後、「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒を入れた」といった流言が広まり、関東一円で朝鮮人や、朝鮮人に間違えられた多くの人々が虐殺されました。

 このとき、内務省や警察が流言を拡散してしまったことが事態を悪化させたこと、一部では軍人や警官自らが虐殺に手を染めたことは、内閣府中央防災会議がまとめた「1923関東大震災報告第2編」でも指摘されています。

 東京に住む人々が隣人である朝鮮人たちの生命を奪い、それに行政が加担したのです。歴代の都知事が、横網町公園の朝鮮人犠牲者追悼碑の前で行われる虐殺犠牲者追悼式典に追悼のメッセージを送ってきたのは、「二度と繰り返さない」という東京都の決意を示すものでした。またそれは、1973年の追悼碑建立の際に当時の都知事はもとより東京都議会の各会派が賛同した経緯をふまえたものでもあったはずです。碑の建立と毎年の追悼式に参加してきた人びとの思いは決して軽くはありません。

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