1. ホーム
  2. 社会
  3. 「自然豊かな場所なら…」 公園へのペット遺棄、後絶たず

「自然豊かな場所なら…」 公園へのペット遺棄、後絶たず

社会 神奈川新聞  2019年08月19日 19:40

リードをつながれたまま捨てられていた犬(泉の森・自然観察センター提供)
リードをつながれたまま捨てられていた犬(泉の森・自然観察センター提供)

 大和市上草柳の引地川水源地に広がる自然公園「泉の森」で、ペットの遺棄が後を絶たない。年間で数匹の遺棄があり、今年も既にウサギやカメなど計10匹が捨てられている。園を管理する市自然観察センター「しらかしのいえ」では「自然豊かな場所ならば幸せだろうと考えるのは間違い。ペットは、自分で餌を取るのは難しいことを知って最後まで面倒をみてほしい」と訴えている。

 同センターによると、ペットの園内遺棄は、記録を取り始めた2016年が7件9匹で、17年は7件8匹、18年は6件8匹、19年(8月14日現在)は7件10匹で推移している。


収容されたカメ類(泉の森・自然観察センター提供)
収容されたカメ類(泉の森・自然観察センター提供)

 ペットブームを背景にミシシッピアカミミガメなどカメ類が大半を占めているが、イヌやネコ、ウサギといったほ乳類も捨て置かれている。劣悪な飼育環境のせいか病気になっていたり、奇形が見られたりした個体もあったという。

 保護・収容したほ乳類や鳥類は拾得物として原則警察に届けるが、カメ類や魚類などは外来種問題を知ってもらうため、同センターで飼育し、展示もしている。園内の池などに持ち込まれた外来種が生息数を増やし、生態系に悪影響を及ぼす懸念も高まっているとも指摘する。

 泉の森は、引地川の水源地一帯の自然林を保存・活用した約42ヘクタールの公園。自然保護の活動拠点となる同センターや湿生植物園などが整備され、多くの市民に親しまれている。


自然が豊かな「泉の森」=大和市上草柳
自然が豊かな「泉の森」=大和市上草柳

 ペットの遺棄に関しては、今年6月に改正動物愛護法が成立し、1年以下の懲役または100万円以下の罰金へと強化された。一方、同センターは8月1日発行の広報紙で初めてこの問題を紹介し、行為の禁止を呼び掛けた。

 同センターの石丸勇介さんは「自然公園にペットを遺棄する事例は他にもあると思うが、泉の森は交通利便性が比較的良いので捨てに来やすいのかもしれない」とした上で、「広い公園で伸び伸び暮らしてほしいと考えるのは人間のエゴ。飼い主の責任として代わりに飼育してくれる人を探してほしい」と話している。


シェアする