1. ホーム
  2. 社会
  3. 戦争遺跡 語り部に

沖縄戦の記憶(5)
戦争遺跡 語り部に

社会 神奈川新聞  2019年08月19日 10:42

沖縄地図

 木漏れ日が心地よい林道を、ジョギングを楽しむ人たちが駆け抜ける。高さ85メートルの丘陵「黄金(くがに)森」には野球場や陸上競技場も整備され、子どもたちの歓声が響いていた。

 沖縄本島南部の内陸部に位置する南風原(はえばる)町。那覇市に隣接し、近年は幹線道路網が整備され、商業施設の進出やマンション開発が進む。

 町のほぼ中心に位置する黄金森には「沖縄戦の生き証人」とも言える戦争遺跡が残る。第2次世界大戦末期、日本軍が一帯の丘陵地に造った横穴壕(ごう)「沖縄陸軍病院南風原壕群」。手で掘られた壕の総数は30~40に及び、このうち保存状態が比較的良好な「20号壕」は平和学習の場として2007年6月から公開されている。


ひめゆり学徒が看護に従事した壕内を案内する保久盛さん=沖縄県南風原町の沖縄陸軍病院南風原壕群20号壕
ひめゆり学徒が看護に従事した壕内を案内する保久盛さん=沖縄県南風原町の沖縄陸軍病院南風原壕群20号壕

 内部は蒸し暑く、狭く、暗い。息苦しさを感じる。20号壕を管理する町立南風原文化センター学芸員の保久盛陽さん(29)は流れる額の汗をタオルでぬぐい、曇る眼鏡を何度もふいた。

 高さと幅ともに1・8メートル、長さ約70メートル。戦時中、壕の壁には30メートル近くにわたり木製の2段ベッドが並んだ。戦闘が激化すると、負傷兵が次々と運び込まれ、麻酔なしの手術が繰り返された。10代の女学生でつくる「ひめゆり学徒隊」が切断した手足や遺体を運び出し、爆撃でできた穴に埋葬した。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら


シェアする