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共生の街 住民自ら素案 相鉄新駅「羽沢横浜国大駅」周辺

社会 神奈川新聞  2019年08月17日 05:00

バリアフリー基本構想策定が決まった新駅「羽沢横浜国大駅」の周辺
バリアフリー基本構想策定が決まった新駅「羽沢横浜国大駅」の周辺

 横浜市がバリアフリー法に基づき、11月に開業予定の相鉄線新駅「羽沢横浜国大駅」(同市神奈川区)周辺のバリアフリー基本構想を策定する。地元住民が策定を求めて素案を提出したことを受けたもので、県内では初めてのケースという。地元住民は「新駅が完成する前に、地域開発に取り組む良いチャンス。行政の対応を待つのではなく、自分たちでバリアフリー化の一端を担いたい」と意気込んでいる。

 素案を提出したのは、新駅南側に広がる常盤台地区連合町内会(同市保土ケ谷区)。2月に素案を提出した。

 素案作成は、横浜国立大学や地域ケアプラザとともに開いているワークショップ(WS)がきっかけだった。WSでは10年以上前から、同大周辺のまちづくりや地域が抱える課題解決について、3者で検討している。2018年度はバリアフリー建築に詳しい同大の大原一興教授(60)が中心になり、新駅周辺のバリアフリー基本構想をテーマに取り上げた。

 基本構想はバリアフリー法に基づき、高齢者や障害者らが徒歩で移動して利用する施設の多い場所や駅周辺を重点地区と設定し、バリアフリー化を面的、一体的に進めるために市町村が作成するもの。地域住民が素案を提出し、市町村に基本構想策定を求めることができる。

 WSでは、基本構想の意義などについて勉強した後、図書館やホールがある同大から新駅までの約1キロの範囲を重点地区と想定。保土ケ谷区と神奈川区にまたがっているため、神奈川区の羽沢南町内会にも声を掛け、議論に参加してもらった。昨年10月には、重点地区内の道路を実際に歩いて現状を確認する、まち歩きも実施。それを基に、70ページ以上に及ぶ素案を取りまとめた。


バリアフリー基本構想の素案を取りまとめた地域住民ら=横浜市保土ケ谷区
バリアフリー基本構想の素案を取りまとめた地域住民ら=横浜市保土ケ谷区

 素案では、まち歩きの際に撮影した写真とともに、「歩道が車道に向かって下がっている」「多目的トイレの入り口の段差が大きい」「車椅子が通れない」など問題点として約100カ所を列挙した。羽沢南町内会の和田勝巳会長(78)は「この地域は元々農道で、狭い道路や坂道が多い。道路を拡幅するのが一番だが、一方通行にしたり、警告する標識を立てたりするなど解決策も考えた」と説明。常盤台地区連合町内会の石川源七会長(75)は「誰もが新駅に歩きやすい環境を整えたい」と力を込める。

 素案の提出を受け、市は6月、新駅周辺の基本構想を策定することを決定。21年度の策定を目指し、19年度中に地域住民や福祉関係者、学識経験者らでつくる地区部会を開き、内容の検討を始める。市道路局は「住民提案は、施設面だけでなく心のバリアフリーに役立つ。地域の熱意を受け止めたい」としている。

 国土交通省によると、同法施行以降、住民が提案したのは18年3月末で全国8市町村。うち自治体が基本構想の策定を決めたのは5市町にとどまっている。


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