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生徒と学生、母親ら「怒り」と「涙」
〈時代の正体〉希望の光 雲散霧消 朝鮮学校無償化除外「適法」判決は「不当」

時代の正体 神奈川新聞  2017年09月14日 13:48

朝鮮学校側の請求が棄却され、東京地裁前で泣き崩れる女性 =13日午後
朝鮮学校側の請求が棄却され、東京地裁前で泣き崩れる女性 =13日午後

【時代の正体取材班=石橋 学】無償化からの排除という名の朝鮮学校の否定は、朝鮮人として生きることの否定、つまり朝鮮人という存在の否定だ。無視され、踏みつけにされてきた尊厳の回復という救済を求める手を、この国の首都の司法は冷たく振り払った。「原告の請求を棄却する」。たった10秒にも満たない判決の言い渡しによって。

 吉報を待つ約1500人の在日同胞、支援者の前に「不当判決」「朝高生の声届かず」という悲しい旗だしがなされると、東京地裁前の官庁街に怒声が響いた。

 「朝鮮学校を差別するな」「学ぶ権利を認めろ」

 高まっていた期待、差し込んだかに見えた光は一瞬で雲散霧消した。

 7月28日の大阪地裁判決。拉致問題という政治的、外交的判断に基づく無償化からの除外を違法と断じただけでなく、国が主張する朝鮮学校への「疑惑」を否定してみせ、その存在についてこう告げた。

 「民族的自覚と民族的自尊心を醸成する上で基本的な教育というべき」

 9日前の広島地裁判決での敗訴から一転、在日朝鮮人として生きることをこの国の公の機関によって初めて認めてもらえた-。福音は確かに響いたのだった。

 ともった希望が確かな道しるべとなるのを確かめようと駆け付けた大阪朝鮮高級学校オモニ(母親)会の高(コ)吉美(キルミ)会長(47)の落胆はだから、ひとしおだった。

 「自分たちがしてきたことは正しいと言いたいがための判決。一体この国はどこまで自分たちの歴史と向き合おうとしないのか」

 私たちは施しや恩恵を求めているわけじゃない。子どもたちが朝鮮人として育つ環境を整えるのは、植民地支配によって言葉を、名前を、歴史を、文化を奪った側の責任ではないのか。大阪で届いた叫びはなぜ、ここ東京では響かないのか。


報告集会で判決への怒りを表明する東京朝鮮中高級学校のオモニ(母親)会のメンバー=日本教育会館
報告集会で判決への怒りを表明する東京朝鮮中高級学校のオモニ(母親)会のメンバー=日本教育会館

 原告の一人で傍聴席で涙を拭った朝鮮大学校3年の女子学生(20)は法廷に立った友人と後輩たちを思った。意見陳述はついたてに覆われた中に立って行われた。身元が知れれば何が降りかかるか分からないという異常な日常。そしてこの日、登下校では着られなくなって久しいチマ・チョゴリ姿で、大阪に続く勝訴判決を信じて集まった後輩たち。「どんな思いでチマ・チョゴリを着て家に帰ればいいというのだろう」

 沈痛な空気の中で開かれた記者会見。「せめて事実に基づいて判断してほしかった」。弁護団の一人、李(リ)春熙(チュニ)弁護士の当たり前すぎる言葉は、朝鮮学校はいかなる扱いをしても構わないという行政や社会の風潮をただすどころか、後押しするという司法の罪の重さを物語っていた。

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