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中華街摩登(58)
横浜中華街、組合員が激増 手を携える新旧の華僑 

経済 神奈川新聞  2019年08月13日 20:45

 横浜中華街(横浜市中区)の魅力向上に向け活動する横浜中華街発展会協同組合の組合員数が、昨年から激増している。要因は、1980年代以降に来日して中華街で商売を始めた「新華僑」の加入だ。かつては街を作り上げた「老華僑」と新華僑の対立が取り沙汰されてきたが、現在は手を携えて街の発展を目指す「同志」に変化している。発展会は「新しい人の意見も取り入れながら、街の価値を上げていく時期に来た」と話している。


街の発展に向けて、老華僑と新華僑が手を取り合い始めている=横浜中華街
街の発展に向けて、老華僑と新華僑が手を取り合い始めている=横浜中華街

 発展会によると、昨年3月末の組合員数は340店舗だったが、今年は7月末現在で391店舗。わずか1年4カ月ほどで16%増えたことになる。発展会のホームページでの組合員紹介はこれまで週に4店舗だったが、6月からは8店舗に倍増した。「ペースを上げなければとても紹介しきれない」(発展会広報委員)という。

 増加しているのは新華僑だ。江戸清社長で発展会の高橋伸昌理事長(60)は、こう説明する。「この1年、新華僑の経営者と懇談の場を持つなど、積極的にコミュニケーションをとってきた。同じテーブルに着き、みんなで街を良くしようと呼び掛けたことで、いい関係ができ、仲間が増えてきた」

 背景には、街に根付く新華僑が増えてきたことがある。「新華僑も『落地生根』(土地に定着して根を落ろす)という考え方で、この街をベースに商売していこうとしている。だからこそ課題があれば力を合わせ、解決していこうという考え方に賛同してもらった」と高橋理事長。新華僑とのつながりが深まることで、「お互いに顔が分かり、街でも新華僑に『理事長』と声をかけてもらえる」と笑顔で語る。

 老華僑と新華僑の関係が深まった大きな理由の一つに「橋渡し役」の存在もある。発展会副理事長で、中華料理店「中華街 桂宮」などを営むアートグループの余(よ)凱(がい)社長(54)だ。自身も新華僑で、発展会副理事長でもある余社長は「老華僑のおかげで街の歴史があるが、老華僑がつくったルールがよく分からず壁ができた部分もあった」と振り返る。

 10年前には新華僑に対して「稼いだ金を持って帰国する人たち」という老華僑側の印象もあったというが、現在は「むしろ老華僑より熱心に不動産を購入している。この街とともに発展していく覚悟からだ」(余社長)。

 余社長が新華僑を集めて会合を開き、その場に高橋理事長を招くなど、両者が触れ合う機会を積極的につくった。そして、街のルールや、ともに活性化に向けて活動する大切さを説くことで、両者の仲間意識が高まってきたという。「新華僑にとっても、発展会とつながりができることは名誉だ。『やっと商売を認めてくれた』『仲間に入れてくれてうれしい』と。みんな目的は一緒。この街を発展させなければいけない」。余社長は力を込める。

 現在、中華街で商売をするおよそ1100社・店舗のうち、中華料理店などの中華街らしい商売を行うのは約500社・店舗。「今後も気持ちをそろえてごみ問題など、街の課題を解決したい」と高橋理事長は今後を展望している。


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