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15日から本格稼働
川崎市消防局航空隊の新庁舎完成 東京ヘリポート

政治行政 神奈川新聞  2017年09月14日 02:00

内覧会が開かれた航空隊新庁舎の格納庫=東京都江東区
内覧会が開かれた航空隊新庁舎の格納庫=東京都江東区

 東京ヘリポート(東京都江東区新木場)を拠点とする川崎市消防局航空隊の新庁舎が完成し、15日から本格稼働する。同じヘリポート内での移転で、格納庫の拡大や訓練室設置など機能を強化。市内の河川や工場、高層ビルでの災害に加え、県内の山岳事故への出動にも備える。

 ヘリコプター2機を保有する同隊の新庁舎は、敷地面積約900平方メートルで鉄骨4階建て。1991年に建てられた旧庁舎は老朽化に加え、ヘリの離着陸経路に近く警備上の課題もあったため、西側に約40メートル移転して新築した。同ヘリポートは東京消防庁や警視庁、民間会社のヘリなども使用している。

 新庁舎では1階のヘリ格納庫を従来より広げ、すべての整備作業が行えるスペースを確保。2階には資機材が置ける倉庫、3階は会議室や事務室などを整備。4階には食堂や、新たに仕切りを設けた6人分の男性用仮眠室、浴室などがある。今後女性が入隊する場合に備え、女性用の仮眠室や浴室も新設した。

 以前は市消防訓練センター(宮前区)などで行っていた、ヘリからの降下訓練を実施できる訓練室も新たに整備。屋外の壁面に取り付けた、ヘリの乗降時の足場となる脚部(スキッド)を使い、4階の窓から地上まで降りる訓練を行う。

 4日には関係者向けの内覧会が開かれ、福田紀彦市長はあいさつで「大きな災害が起きた場合、川崎市(の地形)は細長いが、ヘリがあれば被害状況も素早く把握できる」と重要性を強調した。


東京ヘリポートを離陸し、川崎市内に向かう航空隊のヘリコプター
東京ヘリポートを離陸し、川崎市内に向かう航空隊のヘリコプター

山、川、ビル…市内外へ


 東京ヘリポートから離陸したヘリコプターは、7分足らずで川崎市中原区の武蔵小杉周辺に、最も遠い麻生区や多摩区周辺にも10分ほどで到着する。

 1985年に発足した同市消防局航空隊には、現在18人が所属。夜間はパイロットと整備士、航空救助員の計3人が庁舎に泊まって待機する。日中の活動では2人体制で操縦し、計6人のチームで出動。人手が必要な場合は、市内の各消防署から訓練を受けた航空救助員が加わる。

 ヘリの出動事例はさまざまで、多摩川で溺れた人を救助したり、数キロ範囲に及ぶ事業所火災の被害状況を上空から確認したり。今年に入り市内での人命救助事案は17件、火災の情報収集事案は20件発生している。

 県内の消防ヘリは川崎市の2機と横浜市の2機に限られ、横浜は主に湘南地域などの水難事故、川崎は県央地域の山岳事故などに対応する。山岳救助事案は今年に入って2件あり、鈴伊知郎隊長は「登山経験に関係なく山登りする人が増え、体調を崩して下山できなくなる場合が多い」と話す。

 阪神大震災以降は、県外の災害時にも要請を受けて応援に向かっている。東日本大震災では、福島県で地震被害の情報収集や救急搬送などを手伝った。今年5月には同県の林野火災でも出動し、空中消火を行った。

 鈴隊長は「消防ヘリは高層ビルでの火災などでも、屋上から避難者を救助したり、多数の隊員を送り込めたりする。河川の氾濫やテロ対策などニーズは高まっているので、航空隊の機能を強化していきたい」としている。


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