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富士通ゼネラル社長・斎藤悦郎さん(1)
ドキュメント経営者 海外部門への配属 「使命想像もつかず」

経済 神奈川新聞  2017年09月12日 11:37

シンガポールに設立した販売会社に駐在していたころの斎藤さん=1999年
シンガポールに設立した販売会社に駐在していたころの斎藤さん=1999年

 空調機が主力の富士通ゼネラル(川崎市高津区)。直近(2016年度)の空調機の売上高ベースで、全体の4分の3が海外分というグローバルメーカーだ。特定の地域に限らず、満遍なく収益を上げているのも特徴。世界を股に掛ける事業基盤は無論、一朝一夕に築かれたわけではない。東南アジア、中国、オセアニア-。事業基盤の乏しい未開の地に分け入り、地道に市場を切り開いた人がいる。斎藤悦郎社長(63)、その人だ。

 海外事業の部署に初めて配属されたのは、入社5年目の1981年。晴天の霹靂(へきれき)だった。入社して始めに拝命したのは、北海道・札幌での国内営業。配属先の希望調査では、国内営業での新天地と本社人事部を記し、海外営業は頭の片隅にもなかった。

 「海外事業部に行きたいと、手を挙げたわけではない。当時は20代半ば。英語は話せないし、海外に行ったことすらなかった。期待される役割やミッション(使命)? 想像もつかなかった」

 富士通ゼネラルの前身は二・二六事件が起きた1936年設立の八欧商店。ラジオや拡声装置、電機蓄音機などの製造から身を起こし、テレビや空調機などの家電部門に進出した。いち早く世界に目を向け、今や現地でトップブランドとして認知されている中東にエアコンの輸出を開始したのは、71年のことだった。

 「海外事業部に配属された81年当時の海外売上比率は62%。他の国内企業と比べてもかなり高い。創業以来、先輩方が海外事業を強く意識していたことが分かる。だから、海外事業が成長部門であることは、当時から感じていた」

 配属されたのは海外営業第三課。エアコン、冷蔵庫、洗濯機など、いわゆる白物家電を取り扱っていた。

 「個性的な先輩が集まっていた。毎日のように、意見をぶつけ合い、けんかしているような集団だった。自分たちでは、親しみを込めて(シャンソンの代表曲として知られる)『愛の讃歌』ならぬ『愛の三課』と呼んでいた。周囲からみたら、浮いていたかもしれない。女房と出会ったのもここ。まさに愛の三課でした」

 いや応なしに、右も左も分からぬ海外営業に飛び込んでいくことになった。


 浮き沈みが激しい企業経営には、トップの人生そのものが投影されている。振るわない内需や不安定な為替環境、激化する国際競争-。難問山積の中、県内経営者の歩みを通して、成長へのヒントを探る。

 

さいとう・えつろう 父は警察官、母は教師。1977年ゼネラル(現・富士通ゼネラル)入社。香港、シンガポール、オーストラリアに駐在するなど、海外営業経験は34年に及ぶ。経営執行役副社長などを経て、2015年6月、生え抜きとしては32年ぶりに社長に就任。座右の銘は「至誠」。明大卒。新潟県出身。

 ◆富士通ゼネラル 空調機を世界110の国と地域で展開。情報通信システム・電子デバイスも手掛ける。16年度の連結業績は売上高2600億円(うち海外分は1778億円)、経常利益240億円。連結従業員数は約7千人。


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