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トモダチ作戦従事、被ばく米兵朗読劇に 横須賀で初上演

社会 神奈川新聞  2019年08月06日 19:07

知られざる存在 苦悩描く「悲しみの星条旗」

 東日本大震災の被災地支援活動「トモダチ作戦」に従事し、福島第1原発事故で被ばくした元米軍兵士らの苦悩を描く朗読劇が8月9日、「ヨコスカ・ベイサイド・ポケット」(横須賀市本町)で初めて上演される。事故の正確な情報を伝えられずに健康を害したとして、元米兵らが起こした損害賠償請求訴訟の取材を続ける日系米国人ジャーナリストのエィミ・ツジモトさんが企画を総括。ツジモトさんは「兵士たちの苦しみを多くの人に知ってほしい」と来場を呼び掛けている。


本番に向け、稽古に取り組む出演者ら =7月上旬、大阪府内(トモダチ・ユニット提供)
本番に向け、稽古に取り組む出演者ら =7月上旬、大阪府内(トモダチ・ユニット提供)

 「悲しみの星条旗」と題された朗読劇は、原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員としてトモダチ作戦の任務に従事し、放射線被ばくの影響とみられる病に苦しむ元米兵らが主人公。東京電力に対し、損害賠償などを求めて起こした訴訟を追うフリージャーナリストの取材に答える形で、体調が悪化していく不安や苦悩を独白する。事故の実際の映像なども交え、その深刻さを表現する。

 脚本は、ツジモトさんらの著書「漂流するトモダチ アメリカの被ばく裁判」が基になっている。ツジモトさんによると、作戦に従事した元米兵のうち、白血病や骨肉腫などで亡くなったのは9人を数える。だが、とツジモトさんは続ける。「日本人のため、身を犠牲にしてまで支援してくれた元米兵の存在が、ほとんど認知されていない」

 その実態を広く知ってもらうため、ツジモトさんが朗読劇を企画。劇作家のくるみざわしんさんが90分間の脚本を書き上げ、「劇団太陽族」を主宰する岩崎正裕さんが演出を手掛けた。

 朗読劇は8月1、2の両日、ツジモトさんの暮らす京都府内で行われた後、現在、R・レーガンが配備されている米海軍横須賀基地がある横須賀市内で上演される。ツジモトさんの思いに共感した市民団体「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」の呉東正彦弁護士や沢園昌夫さんらが上演にこぎ着けた。

 ツジモトさんは「劇に仕立てることで、苦しむ兵士たちへの関心と理解が少しでも広がれば」と期待している。

 横須賀での上演は午後7時から。一般2千円、学生千円。小学生未満は入場不可。問い合わせは、沢園さん電話090(4835)6681。


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