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平塚市役所の福祉ショップ、市民と共に歩み5年

話題 神奈川新聞  2019年08月03日 11:57

経営好調 障害者就労の場広がる


5周年を迎え、年間2千万円を売り上げるなど経営好調の福祉ショップ「ありがとう」 =平塚市役所
5周年を迎え、年間2千万円を売り上げるなど経営好調の福祉ショップ「ありがとう」 =平塚市役所

 平塚市内などの障害者が手作りした商品を販売する同市役所1階の福祉ショップ「ありがとう」が7月27日、オープン5周年を迎えた。“ヒット商品”も手掛け、当初の目標の2倍以上の売り上げを記録するなど経営は順風満帆。「ありがとう」をきっかけに障害者の就労の場も広がり、関係者は「これからも市民との交流を深め、ともに生きる社会を目指したい」と意気込む。

 「ありがとう」は1990年代から福祉関係者が市内のイベントで年1回続けてきた展示販売会がルーツ。2014年に市庁舎が新築され、販売スペースが常設されるようになった。

 小物やお弁当、菓子パン…。市内を中心に32団体の福祉施設の障害者たちが真心を込めて作った商品が並ぶ。看板商品は市内の社会福祉法人などが開発した「湘南みかんぱん」とトマトジュース。市のふるさと納税の返礼品にも選ばれ、根強い人気を誇る。

 店を切り盛りするのも障害者たち。「サンメッセしんわ」(同市高根)の志澤大地さん(22)は昨年から店員として毎日、店先に立ち続ける。最初は苦労していた電卓での計算にも今は慣れ、「お客さんには笑顔を心掛け、それで商品が売れていくのがやりがい」と働く喜びを感じる。


オープン5周年を記念したセレモニー=平塚市役所
オープン5周年を記念したセレモニー=平塚市役所

 オープン当初は月60万円を売り上げ目標としていたが、現在は月平均約140万円を売り上げるようになった。売り上げの9割は障害者に還元され、「ありがとう」の運営協議会の高橋眞木会長は「これまでは障害者の製品を売る場所もなかった。売れれば障害者の給料になり、働く意欲につながる」と強調する。

 昨年は2号店が開店。地元企業の協力を得て、イベントでの出張販売も始まり、年間総売り上げは2千万円を超える。「ありがとう」の収入を資金に15年から障害者福祉施設の合同就職説明会もスタート。さらに市が運営協議会を介し各施設に市内17カ所の公園清掃を委託するなど、障害者の働く場も増えつつある。

 26日には市役所で5周年記念セレモニーが行われ、落合克宏市長が「障害者が働く姿は平塚の誇り」と感謝。「ありがとう」からは市役所のスペースを提供してくれるお礼に落合市長の似顔絵を刺しゅうしたエプロンをプレゼントした。似顔絵を描いた貴峯荘(同市達上ケ丘)の鈴木正代さん(61)は「大事に使ってほしい」と話した。高橋会長は「5年間、歩みを止めずにやってこられた。次の5年も交流の輪を広げていきたい」と意気込んだ。


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