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帝国の残影感じて 海外の神社跡地を写真で紹介 4日まで

話題 神奈川新聞  2019年08月02日 05:00

戦時中に建てられた海外の神社を紹介する写真展=横浜市西区
戦時中に建てられた海外の神社を紹介する写真展=横浜市西区

 日本が戦前に勢力圏にした海外の神社の跡地を紹介する写真展「帝国日本の残影」が、横浜市西区の横浜市民ギャラリーで開かれている。神奈川大非文字資料研究センターの主催で、4日まで。日本が領土を拡張する中、アジア諸国を中心に1600以上の神社が建てられたとされ、同センターは「近代以降の日本の歩みや統治の在り方について考えるきっかけにしてほしい」としている。

 海外神社は、現地に居留する日本人や軍関係者らが創建したとされる。現地での鎮守や安寧のよりどころとなったほか、地域によっては統治を円滑に進める役割も果たしたという。

 同センターは、2008年に海外神社の調査に関する共同プロジェクトを始動。メンバーで、川崎市多摩区在住の写真家稲宮康人さん(44)が中国や韓国、インドネシア、台湾など十数カ国・地域に足を運び、遺構や跡地など約200カ所を撮影してきた。

 写真展では、その中から約50カ所を選んで紹介。北京の北京神社は日中戦争勃発後の1940年に科挙の試験場跡地に建てられたが、現在は中国社会科学院などになっており、当時の面影をとどめていない。一方で、大正時代に建てられた台湾の鹿野村社は、2015年に社殿が復元され、現在は観光スポットになっている。

 日本の敗戦とともに、海外神社は全て廃絶されたとされるが、それぞれの神社が戦後にたどった変遷も知ることができる。

 稲宮さんは「海外神社の所在は、戦前の日本の勢力圏とほぼ一致する」と指摘。敗戦から間もなく74年が経過しようとしており、「海外神社の全貌は今だ明らかでないが、象徴的な海外神社の今昔を対比することで、当時の日本が行った海外統治や、戦時下の実像が見えてくると思う」と意義を強調した。

 入場無料。展示は午前10時半~午後5時半。3日午後2時には展示に関するギャラリートーク、4日午後2時には稲宮さんによる展示解説も予定されている。問い合わせは、同センター電話045(481)5661。


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