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やまゆり園事件3年
心に傷…再生へ一歩ずつ 職員らメンタルヘルス研修

社会 神奈川新聞  2019年08月01日 10:25

津久井やまゆり園芹が谷園舎の職員を対象に開催されたメンタルヘルス研修 =横浜市港南区
津久井やまゆり園芹が谷園舎の職員を対象に開催されたメンタルヘルス研修 =横浜市港南区

 19人が犠牲となる殺傷事件が起きた県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で働いていた職員の心をケアするメンタルヘルス研修が、定期的に行われている。今年あった2回目の研修の取材が許されて足を運ぶと、職員からは「事件と向き合いながら精いっぱい取り組みたい」といった声が多く聞かれた。事件から3年、再生へ向かう気持ちが着実に大きくなっている。

 2月8日、津久井やまゆり園の仮移転先となっている同園芹が谷園舎(横浜市港南区)。その一室に職員14人が集まっていた。

 2人一組になった職員たちに、色と形の違う四つの折り紙が配られる。それらを組み合わせたものがどんな形になったのかを、折り紙の色を教えずに伝え、自分と同じ形になるように相手を導いていく。

 言葉が使えても意思疎通がいかに困難かを実感してもらうゲームに、職員たちは首をひねりつつ考える。重い障害のために言語によるコミュニケーションが取りにくい人と日常的に接しているが、あらためて人に伝えることの難しさを認識しているようだ。

 「何を言ったかではなく、何が伝わったかが大切」。このゲームの狙いを説明したのは、今回の研修で講師を務めた心理カウンセラーの宇野努さん(55)だ。

 平塚市を拠点に市民や福祉施設や学校など向けに、ストレスや悩みの軽減を図る取り組みなどを続けており、芹が谷園舎へ足を運び講演するのは18年春に続いて2回目となる。

 研修ではその後、宇野さんの教えのもと、ストレスケアとして笑うことの大切さや、「やれる」「できる」「大丈夫」とつぶやきながら腹に力を入れると、体がぐらつかなくなるといった自己暗示法などを学んだ。2時間にわたって続き、最初は緊張気味だった職員の表情も自然と和らいでいった。

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 研修の取材に際して、施設を運営する「かながわ共同会」から事件については触れないでほしいとの要望があった。津久井やまゆり園での事件で19人もの入居者が亡くなり、職員も含めた26人が重軽傷を負った。その衝撃の大きさは想像に難くない。

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