1. ホーム
  2. 社会
  3. 足柄の水害次代に伝え 郷土史研究グループが改訂本

減災
足柄の水害次代に伝え 郷土史研究グループが改訂本

社会 神奈川新聞  2019年07月29日 17:46

12年ぶりの新編となった「富士山と酒匂川」
12年ぶりの新編となった「富士山と酒匂川」

 足柄地域の郷土史研究グループ「足柄の歴史再発見クラブ」が、地元の災害と歴史を子ども向けに解説した読本「富士山と酒匂川」の改訂版となる新編を12年ぶりに完成させた。前回発刊以降に発生した災害について加筆、巻末には6ページに及ぶ足柄地域・酒匂川水系の災害史年表を掲載するなど、より充実した内容となっている。

 前回は富士山の宝永噴火(1707年)から300年を迎えた2007年5月に発刊した。足柄地域では宝永噴火で田畑が火山灰に埋まっただけでなく、酒匂川の河床が火山灰で上がるなどしたため水害が多発。復興までに長い月日を要した。それだけに前回の本では噴火と平野部を中心とした酒匂川の水害にページが割かれた。

 発刊から10年がたったころ、近年のゲリラ豪雨などで足柄地域でも河川の増水が目立つようになった。そこで発刊後に起こった水害などをまとめる必要性を感じ、新編の編集となった。

 2年かけてまとめられた新編はA4判102ページでオールカラー。台風9号の増水による松田、開成町境の十文字橋の落橋(07年9月)、開成町で1時間に72ミリの雨量を記録した集中豪雨(10年9月)などを収録した。山北豪雨災害(1972年7月)といった上流地域の過去の災害や、関東大震災(23年9月)も紹介している。

 小林秀樹会長は「身近な災害を思い起こし、被災地にも足を運ぶなどして防災に役立ててほしい」と期待している。

 前回本は開成町、南足柄市などで副教材としても活用された。新編も同会が各市町の小学校に出前授業した際に活用されるという。開成町(ミクニ書店)などで1500円(税抜)で販売している。


シェアする