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神奈川生まれのロングセラー(ファンケル)
改良重ね商品力向上 「マイルドクレンジングオイル」

経済 神奈川新聞  2019年07月29日 18:28

歴代のマイルドクレンジングオイル(左から2004年~、09年~、12年~、13年~、現行品)。環境保護の面からも軽量化への研究を続けている
歴代のマイルドクレンジングオイル(左から2004年~、09年~、12年~、13年~、現行品)。環境保護の面からも軽量化への研究を続けている

 無添加の化粧品で素肌本来の美しさを追求するファンケル(横浜市中区)。同社を代表する商品の一つが4秒に1本売れているという「マイルドクレンジングオイル」だ。「メーク落とし」の定番として根強く支持される背景には、開発者らの「もっと良いものにできないか」という飽くなき探究心があった。

 同商品が誕生したのは1997年12月。90年代に入り、マスカラやアイラインなどのアイメーク、落ちにくいベースメークが主流になったことで「しっかりメークが落とせる商品が欲しい」という声が増えてきたことに対応した。

 オイルクレンジング商品は多くの化粧品会社から出されているが、使われるオイルには大きな違いがあるという。

 「長年の研究を経て、オイルを厳選した。詳細は明かせないため、消費者には違いを伝えづらいが、一度使えば納得してもらえる自信がある」と話すのは同社マーケティング本部化粧品事業部の寺本弥生さん。ぬるつきが強く肌の潤いを奪いやすい安価なミネラル系のオイルは使わず、質の良い原料にこだわってきたという。

 メークに早くなじんですっきり洗い流すことができるのと同時に、肌の潤いを残すことがマイルドクレンジングオイルの特徴。この機能を高めようと、新規原料の開発・発掘を続け、発売以来5回のリニューアルを行った。

 2002年には容量を増加。04年、09年、13年のリニューアル時には原料から見直しを行い、クレンジング力の強化、潤い保持力に磨きをかけてきた。そして17年には不要な角栓・ざらつきを溶かし、同時に乾燥による小じわを目立たなくする処方を実現したという。

 高い利便性も女性の心をつかんできた。ぬれた手でも使え浴室でメークを落とせることは発売当初から支持を得ていたが、17年のリニューアル時にはその機能を強化した。また、近年人気になった「まつげエクステンション」(化学繊維等の人工まつげを自まつげに装着する)で使われるのりはオイルに弱いとされるが、マイルドクレンジングオイルを使えばエクステが取れないことを、ファンケル社員が確かめて顧客向け情報誌やホームページで発信した。

 常に改良を続ける意識は容器にも及ぶ。04年から採用されているポンプ式容器の樹脂量は、当初の30グラムから15年には18・2グラムに減量。容器の軽量化で輸送にかかるエネルギーや、使用後のごみの量を減らし、環境への負荷を減らしている。

 「商品力向上のための努力に終わりはない」と寺本さん。研究員と納得ゆくまで検討を重ね、17年のリニューアルでは約600回もの試作を重ねたという。

 実は同社には、リニューアルに関する苦い経験がある。10ミリリットルサイズの化粧水を30ミリリットルに増量し、10ミリリットルを廃止すると宣言したところ顧客からの苦情が殺到。廃止を撤回した。

 「企業側が良いと思ったものが受け入れられるとは限らず、人気商品のリニューアルは新商品開発より難しい側面がある」と強調する寺本さん。「しかし、少しでも良くなる可能性があればチャレンジを続け、より多くの人に使ってもらえる商品に育てていきたい」と決意は固い。

マイルドクレンジングオイル ファンケルが1997年に発売した、オイルタイプの化粧落とし。120ミリリットル1836円など。好調な売れ行きに対応するため、19年度中には専用工場を建設予定。


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