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若年性認知症を支える(10)
コーディネーター「心強い」 県内には3人

社会 神奈川新聞  2019年07月25日 06:00

若年性認知症の人と家族、地域の介護関係者らが月2回集まり、バレーボールや卓球、剣道などを楽しんでいるスポーツの会=久里浜医療センター
若年性認知症の人と家族、地域の介護関係者らが月2回集まり、バレーボールや卓球、剣道などを楽しんでいるスポーツの会=久里浜医療センター

 国による制度化を受け、県内でも2017年度から配置された若年性認知症支援コーディネーター。現在は、県が2人(県東部、県西部)、横浜市が1人を置き、精力的な活動を展開している。支援を受けた本人、家族からは、その活動の意義が高く評価されている。

  ◇◇

 小田原市の家族の一人は「病状や介護のほか、経済面についてもアドバイスをもらい、コーディネーターは心強い存在です」と語った。「若年性認知症の夫と2人だけの息苦しい生活でした。コーディネーターに家族会を紹介され、話をする場ができ、気持ちが楽になりました」。コーディネーターに助けられ、市役所に行って福祉制度の利用も進めた。「何でも相談してみるものだと思いました」と感慨深げだ。

 横須賀市の本人、家族が喜んだのは居場所づくりだった。60代前半の女性は、高齢者ばかりのデイサービスの利用を嫌がった。そのため、コーディネーターが企画したのが、久里浜医療センターの体育館を活用したスポーツの会。他の若年性認知症の本人と家族、地域の福祉関係者が集まり、月2回、バレーボールなどを楽しんでいる。

 スポーツを満喫し笑顔を見せる女性に夫も「妻も私も気分転換になり最高です。介護にものすごく寄与しています。若年性認知症の家族や介護関係者と話ができるのもありがたいです」と話す。「コーディネーターにはとても感謝しています。それだけに、県内で3人しかいないというのは少ない」と指摘した。

 そして、強く期待されたのが就労支援だ。横浜市の本人の一人は「コーディネーターに支援してもらって働き続けています。これからのこともある。働けるうちは働きたい。働いていることを家族や知人にも喜んでもらっています」と話す。妻も「認知症になったら何もできないというわけではありません。働くことで認知機能も維持できます。企業、社会の理解が必要です」と訴える。

 コーディネーター3人も「就労支援が課題」と口をそろえる。能力に応じて働き続けられるよう、地域の企業、産業医、産業保健師に理解を求めていきたいという。労働組合など関係団体を訪問し、協力要請も行っている。さらに、障害福祉サービスの利用も重要な点だという。「支援を受けながら賃金、工賃を得られる就労継続支援事業所での受け入れを広げていきたい」と3人は語る。

 ◇◇

 若年性認知症支援コーディネーターはわずか3人ということで、つながっていない本人、家族もまだ多い。課題も山積している。しかし、その制度横断的な個別支援は着実に成果を上げている。

 団塊の世代が全員、後期高齢者になる2025年、そして団塊ジュニアが高齢者となる40年に向けて、認知症の人、高齢化した障害者、複合介護、独居の高齢者ら、地域生活で困難を抱える人は確実に増加していく。困り事の相談に対し、生活をトータルに見て支援するソーシャルワークが広範に必要になるとみられる。その意味でも、若年性認知症支援コーディネーターの活動は貴重な示唆を与えている。 

〈おわり〉


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