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横浜市教委基準改正
教員免職、公表は翌年度 わいせつ事案「被害者保護」

社会 神奈川新聞  2019年07月23日 05:01

教職員の懲戒処分に関する公表基準の一部改正案を可決した横浜市教育委員会臨時会=横浜市内
教職員の懲戒処分に関する公表基準の一部改正案を可決した横浜市教育委員会臨時会=横浜市内

 横浜市教育委員会は22日、児童や生徒へのわいせつ行為やセクハラで懲戒免職になった教職員の処分について、被害者側が望まない場合は、処分日に公表しないことを決めた。翌年度にまとめて発表し、それぞれの処分日は非公表とする。市教委はインターネット上などでの被害者特定を防ぐためと説明。一方、専門家は「『1年は非公開にする』のすり替えだ」と批判している。

 同日の市教委臨時会で、市教委が教職員に対する懲戒処分に関する公表基準の一部改正案を提出、全会一致で可決された。委員から質問や意見はなかった。

 市教委は従来、免職、停職、減給、戒告の懲戒処分をした場合、処分日に公表。わいせつやセクハラ事案では、教職員の氏名や年齢、学校名、事案の詳細など、被害者が特定される可能性のある情報は伏せていた。

 これを、被害者や保護者が即日公表を望まない懲戒免職の事案に限り、翌年度の遅くても5月末に原則1回、まとめて公表する。その際、各事案の処分日は非公表とする。

 臨時会後に会見した市教委は今回の見直しについて、報道や官報で明らかになる複数の情報で教職員が特定されるとし、「結果として、被害者の情報がインターネットや会員制交流サイト(SNS)上に書き込まれるリスクが高くなっている」と説明。「即日公表できないことを良しとは思っていないが、被害に遭った児童や生徒の、人権や二次被害防止を最優先に考えた」と述べた。

 基準見直しについて、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「『1年後に発表する』というのは『1年間、非公表にする』のすり替え」と批判。公表を遅らせ、処分日を伏せても「調べようと思えば推測を交えて(特定)できる」とし、「被害者ではなく、教職員を守る側面が強くなる。何を守りたいのか、分からない」と、あくまで被害者のプライバシー保護を強調する市教委の判断に疑問を呈した。

 その上で「懲戒処分をその日に公表し、適切な自浄作用を発揮することが信頼回復には重要。処分を隠すのではなく、ケース・バイ・ケースで公表する内容や範囲を工夫すべき」と注文を付けた。


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