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若年性認知症を支える(8)
地域のつながりを築く 医療従事者・支援者も参加

社会 神奈川新聞  2019年07月17日 15:21

当事者、支援者で合唱も行い楽しい時間を過ごした第1回EODフレンドシップカフェ=小田原市
当事者、支援者で合唱も行い楽しい時間を過ごした第1回EODフレンドシップカフェ=小田原市

 若年性認知症の人と家族を支援しようと、県西部では現在、医療介護の関係者を中心に新たな動きが始まっている。県西部担当の若年性認知症支援コーディネーター、田中香枝さんも、その要となっている。

 ことし3月、県西地域で初の若年性認知症カフェ「EODフレンドシップカフェ」が小田原市内の特別養護老人ホーム「ジョイヴィレッジ」で開かれた。主催は「小田原・箱根・湯河原・真鶴一市三町若年性認知症を考える会」(代表・小林博子ひまわりメンタルクリニック院長)。会の事務局を田中さんが務めている。

 カフェは、若年性認知症の当事者7人を含め、家族や医療介護関係者、地域住民ら約110人もが参加する盛り上がりを見せた。お茶や菓子を味わいながら、おしゃべりを楽しんだり、クラシック音楽の演奏に聞き入ったりしながら、楽しい時間を過ごした。小林さん作詞作曲の「フレンドシップカフェのうた」も披露され、「ここに来れば、友だちできる。ほら、誰かがどこかで支えてくれる」と、皆で合唱し、会場は温かい雰囲気に包まれた。

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 考える会は昨年9月、1市3町の医療介護、行政の関係者で組織した。若年性認知症の家族会の周知、就労を続けるための企業での取り組みの支援、産業医との協力、障害者雇用の利用、地域作業所との情報交換、介護者の知識向上と精神的支援などが課題。小林さんは「高齢者でも若年性でも、認知症になっても安心して暮らせる地域を目指します。会の存在を知ってもらい、患者さん、家族とともに歩んでいきたい」と語る。

 カフェは年に数回開催予定で第2回は今月7日。「笑顔は副作用のない最高の薬、音楽は心の点滴と言いますから、カフェでは笑顔と音楽を大切にしています。当事者、家族、住民の誰でも迎えます」と小林さん。

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 そして平塚市では、全国のモデルケースとなるようなプロジェクトが進行中だ。日本認知症ケア学会理事長で東京慈恵会医科大教授の繁田雅弘さんの空き家の実家を、地域の認知症啓発の拠点にしようという「SHIGETAハウスプロジェクト」だ。

 繁田さん、平塚市の認知症初期集中支援チームを担う湘南いなほクリニック院長の内門大丈さん、田中さんらがメンバーだ。5月には同ハウスで第1回若年性認知症カフェ(平塚カフェ)を開催し、当事者、支援者ら約70人が参加した。

 さらに、改修工事のためのクラウドファンディングも、259人の支援者から563万8千円が寄せられる大成功となった。今後、平塚カフェ、繁田さんとの勉強会、認知症の人と一緒に料理を作る「誰でもレストラン」、認知症関連の本や映像を公開する図書室など、多彩な取り組みを行う計画だ。第2回のカフェも今月9日に開催する。

 田中さんは「若年性認知症は、地域の実態がまだまだ不明です。診断を受けたら支援者と関われるシステムが必要。初期の人への支援、就労支援、社会参加の場と家族支援の充実などに取り組んでいきたい」と強い決意だ。


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