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80歳弁護士に退会命令 預かり金を不正流用 県弁護士会

社会 神奈川新聞  2019年07月16日 23:14

 神奈川県弁護士会は16日、成年後見人の選任手続きに関わる費用や預託金を返還せずに事務所経費に流用したなどとして、同会会員の猪俣貞夫弁護士(80)を退会命令の懲戒処分にした。退会命令は除名に次いで2番目に重い処分。

 同弁護士会によると、猪俣弁護士は2017年6月に千葉県に住む80代女性から、女性の兄と兄の妻について後見開始の審判申し立て手続きを委任され、兄の医療費や葬儀費、申し立て手続きの手数料などとして計370万円を女性から預かった。しかし後見人決定後も預かり金を返還せず、約270万円を事務所経費に流用していた。

 女性の親族が同年12月、「手続きにかかる費用で使途不明金がある」などとして、紛議調停と懲戒請求を申し立て、県弁護士会が調査を開始。猪俣弁護士は流用した現金のうち、返還する必要がある計223万円については既に全額を返金したという。

 猪俣弁護士は14年12月、預かった遺産の一部計4700万円を着服したとして、同弁護士会から業務停止1年4月の懲戒処分を受けていた。猪俣弁護士は「想像を超える処分だ。今後の対応は慎重に検討する」とコメントした。

 県弁護士会は全額返金されていることを理由に、刑事告発は見送る方針。伊藤信吾会長は「弁護士に対する市民の信頼を損なうもので、極めて遺憾だ。懲戒処分の実効性確保に向け、より一層真剣に取り組む」と話した。


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