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「幸せを運ぶ存在に」 川崎区日進町の複合施設にカフェ

話題 神奈川新聞  2019年07月16日 05:00

近隣住民が気軽に立ち寄れる場にと腕を振るう稲葉さん=川崎市川崎区日進町
近隣住民が気軽に立ち寄れる場にと腕を振るう稲葉さん=川崎市川崎区日進町

 簡易宿泊所(簡宿)が立ち並ぶ川崎市川崎区の日進町に、地域の憩いの場となるカフェがオープンした。築50年以上の倉庫をリノベーションした複合施設に構えるカフェは、英語で幸運の鳥を意味する「IBIS」(アイビス)。時代の変化とともに再生する街で、幸せを運ぶ存在にとの思いが込められている。

 ハンドドリップコーヒーに、5~6時間かけてスパイスから仕込むという限定7食のカレー。ハンバーガーはバンズにこだわりがある。「チェーン店にはない味を出したい」。店主の稲葉太郎さん(36)は自信をのぞかせる。

 もともと東京都内で飲食店のマネジメントに携わっていた稲葉さん。仲間とともに出店候補地を探す中、巡り合ったのが日進町の一角で、シェアオフィスなどが入る複合施設「unico(ウニコ)」の1階だった。

 日進町は高度経済成長期に労働者の街として活気を集めたが、近年は簡宿利用者の高齢化や建物の老朽化が進む。2015年5月には11人が死亡する火災が発生。34軒あった簡宿は4年間で13軒が廃業するなど、街のありようは変化してきている。

 周囲からは出店を懸念する声もあった。それでも「この街の空気感が気に入った」。稲葉さんは言う。日進町にはいま、簡宿をリノベーションしたゲストハウスが建つなど、外国人観光客やバックパッカーの姿も増えつつある。

 「治安が悪いでしょとか、悪いイメージで語られることもあったけど、来てみると全然違う」。新たな息吹は、鳥が暮らすに十分な環境を与えているように見えた。

 オープンから3週間。客足は想定通りとはいかないと明かすが、7~8割がリピーターと、一定の手応えもある。目指すのは地域の人が集い、語らう場。「生活の一部になる店にしたい。近所の人が週に一度でもおいしいコーヒーを飲んで生活を豊かにする手伝いができれば」。自慢のハンドドリップコーヒーは1杯480円だ。


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