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  火山ガス濃度で町長
箱根ロープウェイ 運行停止基準緩和も

社会 神奈川新聞  2017年08月30日 15:11

ゴンドラから大涌谷を一望できる箱根ロープウェイ
ゴンドラから大涌谷を一望できる箱根ロープウェイ

 箱根町の山口昇士町長は29日、箱根ロープウェイの運行を停止する火山ガス濃度の基準を緩和も視野に入れて見直す考えを示した。箱根山・大涌谷園地の一部再開から約1年1カ月がたったが、ガスを吸って気分を悪くした乗客がいなかったことが主な理由。一方、屋内退避や避難指示など園地内の規制基準は現行を維持するという。

 町や箱根ロープウェイ(小田原市城山)によると、同社は現在、ゴンドラ5基と、大涌谷駅舎内2カ所に火山濃度の計測器を設置。そのうち1カ所でも二酸化硫黄(SO2)の濃度が0・2ppmに達した場合、乗客を最寄りの駅で下車させた上で、運行を停止。30分後に0・2ppmを下回れば、運行を再開している。

 同社などによると、大涌谷園地の一部規制解除を受けて全線運行を再開した昨年7月26日からことし8月25日までの間、園地内で0・2ppmに達したのは114日間あり、ロープウエーの運行を停止させたのは計32日あった。ただ、火山ガスを吸って体調不良を訴えたり、救急車で搬送されたりした観光客はいなかったという。

 29日に開会した町議会9月定例会の本会議で、山口町長はこうした現状に触れた上で、ロープウエーの停止基準について「当初の安全基準を科学的、合理的に見直してもいいのではないか」と指摘。「10年先まで被害ゼロを目指し、慎重に進めたい」と述べた。

 町総務防災課も「体調不良を訴える人がおらず、0・2ppmという数字から検証したい」と説明。濃度の瞬間値から平均値に変更するといった判断する仕方も見直しの対象とした。ただ、「0・2ppm以上で注意喚起」「5ppm以上で屋内退避」「10ppm以上で避難指示」としている園地内の規制基準については、現段階では維持するという。

 同社は全線運行再開にあたり、熊本県・阿蘇山を参考に基準を決定。箱根山火山防災協議会で承認を得て運用してきている。町がロープウエーの停止基準の見直しを示唆したことについて園地内のある事業者は、運行停止で観光客数に大きな影響があることを踏まえ「緩和されてもいいのでは」と期待感を示した。


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