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大涌谷 火山活動低下の兆し 定期観測で東海大が公表

社会 神奈川新聞  2019年07月10日 05:00

大涌谷で行われた火山ガスの定点観測(東海大理学部大場武研究室提供)
大涌谷で行われた火山ガスの定点観測(東海大理学部大場武研究室提供)

 噴火警戒レベル2(火口周辺規制)の箱根山(箱根町)で、火山活動が低下の兆しを見せ始めていることが9日、東海大が大涌谷で実施した火山ガスの定点観測で分かった。規制エリア内と周辺の噴気地帯でガスの成分を調べた大場武教授は「活動はピークを迎えつつあり、今後徐々に低下していくのではないか」との見方を示した。

 大場教授が活動の活発度を判断する指標としているのは、火山ガス中に含まれる二酸化炭素(CO2)の硫化水素(H2S)に対する比率。比率の数値が上昇すると活発化を意味し、低下すれば沈静化を示唆する。

 9日に採取したガスの分析結果を6月11日の前回調査時と比べたところ、「規制エリア内は数値がわずかに低下し、噴気地帯はやや上昇していた」と説明。両地点とも警戒レベルが2に引き上げられた5月以降の上昇の度合いは、「(観測史上初の噴火に至った)2015年の時と比べれば、かなり小さい」という。

 また、今月2日に開かれた火山噴火予知連絡会は、箱根山について「火山活動は高まった状態」との判断を示す一方で、「(山体膨張の地殻変動が)一部でやや鈍化傾向の可能性がある」などと言及。沈静化の兆しがあることも示唆していた。

 こうした点も踏まえ、大場教授は「活動が峠を越えたとはまだ言えないが、ガスの成分分析の結果も予知連の見解と整合的だ」と述べた。


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