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震生湖を国登録記念物へ 秦野市が講演会や現地ツアー

話題 神奈川新聞  2019年07月08日 11:14

国登録記念物の登録に向け、秦野市が取り組みを進めている震生湖
国登録記念物の登録に向け、秦野市が取り組みを進めている震生湖

 秦野市が、紅葉の名所として知られる震生(しんせい)湖(秦野市、中井町)の国登録記念物の登録を目指した活動をスタートした。関東大震災で形成された湖の誕生100周年を迎える2023年までの登録を目指す。地権者対象の説明会を開いて合意形成を進め、今後は文化庁に対して中井町と連名で意見具申する。

 市生涯学習課によると、震生湖は1923(大正12)年9月、関東大震災の崖崩れで市木(いちき)沢がせき止められ、地下水がたまって造られた。

 市と中井町にまたがり、面積は約1万3千平方メートル。紅葉が美しいスポットとして有名で、平日も釣りに訪れる人の姿も目立ち、昨年は約6万6千人が訪れた。

 周辺には関東大震災で山道の崩壊に巻き込まれ、行方不明になった南秦野尋常高等小学校(現・同市立南小)の女児2人の供養塔が建立されている。また湖畔には、震災から7年後に東京帝国大地震研究所から現地調査に訪れた物理学者寺田寅彦の句碑も残る。

 市は、震生湖が市内外の市民に親しまれていることや、決壊せずに現存する貴重な天然の湖であり、地質学的資源であることから、国登録記念物の登録に向けて取り組むことを決めた。登録されれば、国のお墨付きを得て県民や観光客に価値を伝えることができ、雑草除去や標識設置に国の補助を得るメリットもあるという。

 今月1日、市内に中井町の職員も招き、地権者や地元自治会役員など関係者を対象に説明会を開いた。市生涯学習課職員が登録に向けた考え方を伝え、説明会後には、登録の対象範囲となる湖面と崩落した崖の一部の土地を所有する地権者から同意を得たという。

 今年11月ごろには市民対象の講演会や学習会、現地見学ツアーも開き、震生湖の価値を伝える予定。解説板の整備も進め、市外観光客だけではなく、市民が震生湖を貴重な地域資源として理解を深めてもらえるよう取り組むとしている。

 5月14日の市議会第2回定例会の本会議で市文化スポーツ部の佐藤正男部長は、古木勝久氏(無所属)の一般質問に対し「地質、歴史や生態系などのつながりを、ストーリーとして構築することが可能と考える」と答弁。「中井町と連携を密に取り、登録実現と、保全、活用について観光施策と足並みをそろえながら取り組む」と述べた。

 市内では17年10月に、同市水神町の曽屋水道が国登録記念物(遺跡関係)となり、震生湖が登録されれば市内2カ所目となる。


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