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新時代 夢見る夏男(2)
桐蔭学園・森敬斗 「忘れ物」取りにいく

高校野球 神奈川新聞  2019年07月02日 19:40

甲子園での呪縛

 桐蔭学園にとって16年ぶりの甲子園だったセンバツ。主将・森敬斗は、大会を通じて右足首の痛みと闘っていた。

 「だいぶ苦しかった。試合当日の朝は痛み止めの注射を打ってごまかしながら。(体の)バランスが崩れてスイングも悪くなっていた」


2季連続の甲子園出場へ復活を遂げた桐蔭学園の主将森=桐蔭学園高
2季連続の甲子園出場へ復活を遂げた桐蔭学園の主将森=桐蔭学園高

 大阪入り直前の守備練習で足をひねった。骨挫傷と診断され、練習は最小限にとどめ、通院して治療を受ける日々が続いた。満足に体を動かせる状態ではなかったが、夢にまで見た大舞台でプレーしたい-。その一心で突き進んだ。

 迎えた福井・啓新との初戦はやはり、思い描いたものから程遠かった。「どうしても、あの打席が忘れられない」。1点を追う二回2死満塁の絶好機。ボール球に手を出して3球三振に倒れた。流れを手放し、敗戦。あっという間に甲子園が終わった。

 「浮足立っていた。冷静じゃなかった」。残りの3打席で3安打1打点を記録したものの、思い出すのはあの場面ばかり。横浜に帰ってきても、森は甲子園の呪縛から逃れられずにいた。

 4月13日に、センバツ後の最初の公式戦に臨んだ。県大会3回戦。春の初戦は向上に延長戦の末に逆転負けを喫した。

復活へののろし

 「甲子園でてんぐになっていなかったか。練習を怠っていなかったか。本当に1点を取りにいっていたか」。どん底に落ちたチームの主将は、メンバー一人一人に語り掛け、自らもその言葉を実践していった。

 足の痛みに弱音を吐くことなくチームの勝ちにこだわる森の姿にナインも徐々に変わり始めた。5月の練習試合で、甲子園で敗れた啓新と再戦したことも大きかった。「負けちゃいけない」(森)特別な一戦で6-0の完勝を果たし、気持ちも吹っ切れていった。

 森自身も着実に進化を遂げた。右足に負担がかからないように試行錯誤を重ね、ノーステップの打撃フォームに変更。「足の踏ん張りが悪くて目線のずれもあった。やっと、いい形を取り戻すことができた」

 栃木・作新学院との練習試合で新打法を初めて試すと、第1打席でいきなり右翼へ場外弾。完全復活ののろしを上げた。

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