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「水木さんが描いた妖怪文化」京極夏彦さんが記念講演

カルチャー 神奈川新聞  2019年07月02日 17:08

参加者は京極夏彦の軽妙なトークに聞き入った=神奈川大
参加者は京極夏彦の軽妙なトークに聞き入った=神奈川大

 横浜駅東口のそごう美術館で開催中の「水木しげる魂の漫画展」(神奈川新聞社などの主催)の関連イベントとして、小説家の京極夏彦を講師に迎えた特別記念講演会「水木さんが描いた妖怪文化」が6月22日、神奈川大(横浜市神奈川区)で行われた。妖怪好きのファンら450人が、生前の水木と交流のあった京極の言葉に耳を傾けた。

 「妖怪はデスクトップ上のアイコンだ」と紹介した京極。アイコンをクリックするとたくさんのファイルやデータが出てくるように「妖怪の背後には、暮らしに密着した長い歴史がある。こうした民俗学的なデータを理解し、妖怪に姿と名前を与えたのが水木先生。江戸時代の妖怪の挿絵などいろんなところからコラージュして、自分のイメージにぴったりの形を創作した」と明かした。

 「水木先生にいわせれば妖怪は目に見えないもの。形にすることは基本的に不可能だ。先生に『どうするんですか、何か(精神的なひらめきが)おりてくるんですか』と聞いたら、『おりてきませんよ。ばっかみたいに努力するんです』と答えられた」

 「ばっかみたい」とは、「妖怪の背後にあるもの、文化を理解していなければ描けない、ということをちゃんと分かれ、もっと勉強しろ。それぐらいの強い力を持っている言葉だったと思う」と振り返った。

 「お亡くなりになってから、言葉の一つ一つがリンクしていたのだと気が付いた。不肖の弟子を名乗っていたが、『こいつ何も分かっていないな』と先生は思っていただろう」とも。

 妖怪の姿より、みっちりと描き込まれた背景が特徴的な妖怪画には「フォルダの中のデータ」が詰まっており、「構図、厳選されたモチーフなど、実に細密に描かれた風景画のよう」と評する。「原画は近くで見るとすごいですよ」と同展への来場を呼び掛けた。

 同展は7日まで。一般1200円、高校・大学生800円。問い合わせは同館☎045(465)5515。 


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