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青い海守る海保 ごみ拾い、紙芝居で啓発

横浜みなと新聞 神奈川新聞  2019年07月01日 15:58

針が付いたままの注射器も回収され、注意を呼びかける海上保安官=片瀬西浜
針が付いたままの注射器も回収され、注意を呼びかける海上保安官=片瀬西浜

 「海の警察」として、海上の治安を守る海上保安庁。「海猿」のような華々しい人命救助だけでなく、プラスチックごみによる汚染が深刻化している昨今、海洋保護にも力を入れている。横浜・みなとみらい21地区を見渡す横浜市中区に拠点を構える第3管区海上保安本部(3管)の取り組みを取材した。

 腹痛でもがくウミガメの「マリン」。飲み込んだのは好物のクラゲでなく、海中に漂うビニール袋だった-。6月に江の島(藤沢市)で開かれたハーバーフェスティバル。紙芝居を見終えた子どもたちに、環境防災課専門官の長谷川提司さんが「ごみはごみ箱に捨てましょう」と呼びかけると、「はーい」と元気な声が返ってきた。


海上保安協力員と海岸のごみ拾いを続けている=片瀬西浜
海上保安協力員と海岸のごみ拾いを続けている=片瀬西浜

 6月は環境省が主導する「環境月間」。海保も「未来に残そう青い海」を標語に、全国11の管区で海洋保護活動を展開した。

 関東9都県を管轄する3管は、神奈川県内は藤沢、葉山、横須賀の海岸と多摩川河川敷のほか、東京、茨城、千葉、静岡の海岸で清掃に当たった。木くずや可燃ごみに紛れ、大量のプラごみも回収された。

 プラごみは紫外線や波で劣化して5ミリ以下の微細なマイクロプラスチック(MP)になると、回収が難しくなる。日本近海はMPの密度が高い「ホットスポット」で、生態系への影響も指摘されている。

 6月16日の片瀬西浜(藤沢市)での清掃でも、拾いきれないほどのMPが砂浜に埋まっていた。地域海難防止対策官の出頭房志さんは「掘っても掘っても、きりがない」とぽつり。海保に協力する清水建設のボランティアとともに汗を流した。

 プラごみを含めて海岸で回収されるごみの7割は、河川から流れ込んだ陸域由来とされる。環境防災課長の千葉弘毅さんは「陸と海は一続き。陸域での心がけが、青い海の保全につながります」と話す。


ごみのポイ捨てをしないように、子どもたちにも紙芝居で呼びかけている=江の島
ごみのポイ捨てをしないように、子どもたちにも紙芝居で呼びかけている=江の島

 3管はこのほか、海運業者や漁業者を対象に海を汚さないための講習会を開いたり、小中高生に海保の取り組みを紹介したりして、啓発にも乗り出している。

 3管が昨年1年間に確認した海洋汚染は48件。うち46件が油、2件が漁獲物の残さだった。油の流出のような船舶からの汚染が6割を占めた。

 油が流出した場合、応急的に吸着マットで拡散を防いでいるのは海保だ。油やごみを排出して海を汚せば、海洋汚染防止法で取り締まられ、罰金が科される場合もある。


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