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【シネマ散歩】
【新聞記者】現実社会と絶妙にリンク

カルチャー 神奈川新聞  2019年06月28日 15:05

©2019 『新聞記者』フィルムパートナーズ
©2019 『新聞記者』フィルムパートナーズ

 109シネマズ川崎などで28日から上映。

 政権の安定は国のためとして、国民に知られるとまずい事実を情報操作で隠そうとする官僚と、真実を明らかにするため奮闘する新聞記者の攻防を描く。原案は東京新聞・望月衣塑子記者の同名ベストセラー。現実社会と絶妙にリンクした社会派サスペンスだ。

 内閣情報調査室(内調)で働くエリート官僚・杉原拓海(松坂桃李)=写真右。上司に言われるまま、現政権を守るための情報をでっち上げ、マスコミ工作をしているが、このままでいいのかと苦悩している。

 一方、東都新聞社会部の若手記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)=同左=の元に、「医療系大学」の新設許認可に絡む極秘文書が届く。調べを進めた直後、鍵となる人物が自殺。それは杉原が尊敬する元上司だった。

 二人が突き止めたのは、内閣府が進める恐るべき計画。誤報を出す恐怖や内調からのプレッシャーの中、一人の人間としての自負が問われる。

 経済特区、首相案件…。何やら聞き覚えのある単語の数々が登場する。最近の老後2千万円問題を巡る「臭いものにふた」的な政府の対応を見ていると、内調の画策も虚構とは思えない。

 米国からの帰国子女という設定の吉岡。シムの演技力は高いが、社会部記者にしては、ぎこちない日本語が気になる。なぜ日本人女優じゃないのか。それこそ“忖度(そんたく)”が働いたのでは、と勘繰ってしまった。

監督/藤井道人 
製作/日本、1時間53分


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