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【発言全文】高江ヘリパッド建設反対 合同会見

社会 神奈川新聞  2016年09月21日 20:23

新団体発足を表明する記者会見=21日、東京・千代田区の参議院会館
新団体発足を表明する記者会見=21日、東京・千代田区の参議院会館

 沖縄県東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場でのヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する若者たちの団体が21日に発足し、賛同する国際NGO3団体とともに都内で合同記者会見を行った。「沖縄で起きていることは私たちの問題」と訴え、ヘリパット建設阻止を目指す方針を表明した。会見の発言を詳報する。

波を起こそう

元山仁士郎さん(24)=大学生 元シールズ琉球
 このたび、「沖縄・北部訓練場のヘリパッド建設強行に反対する若者有志の会」(ヘリパッド建設に反対する緊急行動)という団体を立ち上げることになりました。この新団体が呼びかけ、NGO3団体と国会議員の方に同席してもらっています。


元山仁士郎さん
元山仁士郎さん


 趣旨としては、北部訓練場ヘリパッド建設、あるいは高江の問題について報道が少ない、ということで市民や国会議員が動いて波を起こそうと、より報道してもらえるようにするにはどうすればいいか、模索する中で記者会見を行っています。

 この3団体や国会議員をお呼びした趣旨は、「FoEJAPAN」と「グリーンピースジャパン」は国際環境団体であります。今日、安倍晋三首相が国連総会で演説しますが、それに対し、国内では環境問題、人権問題が現在進行しているということを国際環境団体、国際人権団体から言ってもらいたいと思います。国会議員の方は、26日に(臨時)国会が招集されるということで、国会内とも市民と国会議員が連携していきたいという趣旨です。

 なお、この団体には、元シールズのメンバーがおりますが、シールズの後継団体ではありません。メンバーが有志で、個人として動いている。その一環として高江の問題に関わっています。

放っておけない

早瀬道生さん(24)=大学院生 元シールズ関西
 まず、この団体(「ヘリパッド建設に反対する緊急行動」)を立ち上げたきっかけについてお話します。高江で出会った若者を中心に立ち上げました。私は7月30日に沖縄・高江に入り8月14日まで2週間現地で活動しました。その経験した2週間を振り返ると、明らかに本土では起きないようなことが起きていました。

 具体的に挙げると、県道70号線を歩いているだけで機動隊に包囲され排除されてしまう。私たち市民だけでなく、プレスの腕章を巻いたメディアの方も同じように排除されたのを見ました。明らかに表現の自由であったり、報道の自由が脅かされていると感じました。


早瀬道生さん
早瀬道生さん


 地元の関西へ戻ると、高江に足を運びたいが、なかなか行けないという人が周りにたくさんいました。そうした声を聞き、イライラするとともに、もったいないとも思いました。何か、本土でも高江の問題に言及できる活動ができないものかと感じ、声を掛け合いました。

 沖縄の問題について、若い世代が声を上げようと思ったとき、前提として沖縄の問題は「分かりにくい」あるいは、「分からない」ということがあるのではないかと感じます。メンバー同士のミーティングでも感じました。

 なぜそうなったのか。義務教育で一応の知識として沖縄の問題を教えてもらえるが、それ以降、沖縄の問題を語る機会はなく、基地問題がどうなっているのかを考えることもなくなってしまう。そうであるなら、分かるように努力するしかない。これから少しずつ、沖縄の問題に歩み寄れればと思います。

 団体の今後の目標は、まず、ここ「本土」で沖縄の基地問題、いまは高江のことを中心に動いていますが、世論を喚起していきたい。沖縄では毎日、基地問題が語られています。だが本土へ戻ってから、そのギャップを肌で感じました。高江の文字すら確認することが難しい。だが、このまま放っておくわけにはいかない。

 できるだけ若い世代が声を上げることが大事です。「分からない」という風潮を無くしていきたい。せめて少しでも僕たちの関心が高江に向くように頑張りたい。

貴重な自然「守る」



グリーンピースジャパン事務局長 米田祐子さん
 グリーンピースジャパンは、高江における米軍ヘリパット建設計画に反対しています。高江は人口140人の小さな集落です。高江のある、やんばるの森は、ヤンバルクイナをはじめ、琉球特有の生物がたくさん住んでいます。

 生物多様性の保全上、大変貴重な地域であり、そこは絶対に守っていきたいというのが私たちの願いです。グリーンピースでは、高江の方々の声を大切にしたいという思いでこれまで何回か足を運んできました。


グリーンピースジャパン事務局長の米田祐子さん
グリーンピースジャパン事務局長の米田祐子さん


 その中で、お会いしたお1人、安次嶺現達さんのお話をご紹介したい。13年ほど前に高江の自然に魅せられ、ここで子どもを育てたいと移り住んできました。家を自分で作り、カフェやゲストハウスを経営し、自然に近いところで生活を営んでこられた。

 お子さんたちも山や川で遊び、家族と静かに生活してきた。ところが、この6月からお子さんを避難させることにした。ヘリパットが近く、(ヘリの)低空飛行があり、騒音がひどく子どもが寝られない。低周波もある。健康への影響も分からず不安の中で過ごしてきました。安次嶺さんはいま、1人暮らしをしています。

 安次嶺さんの話を聞いて感じるのは、自分たちの生活や自然を守っていこうという決意。そうした固い決意というのを、外部の団体も尊重し、寄り添う形で活動を進めていきたい。


グリーンピースジャパン事務局長の米田祐子さん(中央)
グリーンピースジャパン事務局長の米田祐子さん(中央)


 私はこれまで海外で17年ほど開発の仕事をしてきました。東南アジア、特にカンボジア北東部に深い思い入れがある。ラタナキリというところで、非常に自然が豊かなところ。近くに国立公園があり東南アジアの原始林の一つと言われ環境的に価値の高いと評価されている。住んでいるのは少数民族ですが、その声が中央政府になかなか届かないという状況がありました。

 そこへ経済開発という名の下に大きな企業が90年という長い期間のリースで広大な土地をプランテーションに変えていっている。国際的には事前の合意がなければ開発はやってはいけないことになっている。事前に情報を(住民に)提供し、それに基づき自由に意見を交わした上で、経済開発するという国際的なスタンダードがある。

 だが、それを全く無視したことが行われている。いきなり朝、ブルドーザーがやってきて、森を壊し始め、それで初めて、自分たちの地域がプランテーションになるということを知るということが起きている。そうした状況を見てきました。


グリーンピースジャパン事務局長の米田祐子さん(右)
グリーンピースジャパン事務局長の米田祐子さん(右)


 そして先月、帰国し、高江のことを知り、日本でも同じ状況があるのかと大変ショックを受けました。

 グリーンピースとしては高江の問題について、国際的な環境団体として一体何ができるかと考えてきました。高江の方の思いを日本全国に、そして、世界中へ広く知ってもらうことが私たちの役割だと思っています。

 9月21日は国連が定めた「国際平和デー」ですが、きょう私たちの団体で、高江や辺野古の思いを届けるということで、新しいサイトを立ち上げた。「命の楽園を守って」というタイトルのサイトです。こうした活動を通じて、グリーンピースの世界各支部と連携しながら呼びかけ、グローバルなネットワークを生かし、世界にこの状況を知ってもらいたいと思っています。

「暴力的排除で進める異常」

「FoE JAPAN」理事 満田夏花さん


「FoE JAPAN」理事の満田夏花さん
「FoE JAPAN」理事の満田夏花さん


 このたび若者による緊急行動が立ち上がったことは本当に素晴らしいこと。宣言の最後の段落にあるように「沖縄の問題ではない、私たちの問題である」という点に私は深く共感します。

 やんばるの森で起きていることは信じがたいことばかり。だがそのことが本土のメディアに取り上げられない。けさの琉球新報をご覧になられた方はおられますでしょうか。空撮でやんばるの森に、ぽっかりと広い75メートルの空き地になっている。森を切り裂くように道ができていた。

 やんばるの森は、世界でもまれに見る生物多様性の宝庫であり、保護価値の高い生態系がある。何より地域の人たちがその自然を愛し、守りたいという意思表示を示し続けている。9年以上にわたり座り込みを続けているということを私たちは重く受け止めるべきだ。

 やんばるの貴重な森は先日、北部訓練場を除く部分が国立公園に指定されました。また世界遺産登録も目指しています。国立公園に指定される中では、このやんばるの森の価値の高さは「まれに見るものだ」と専門家も表現しています。

 希少種だけでなく、亜熱帯の森、本来であればまとまりとして保全しなければいけない。だが、北部訓練場という人間が線引きした場所を除いた国立公園の指定となっている。しかも、その範囲は非常に狭い。沖縄の環境団体も異議を出しています。

 さらに私が指摘したいのは、国際的にみれば、日本は生物多様性条約に批准していて、2010年には愛知県で締約国会議も開かれている。その中で「愛知ターゲット」という目標が採択され、生物多様性、生物の絶滅を食い止めると書かれている。そうしたことと照らしても、現在このやんばるの貴重な生態系の価値について、一顧だにせず住民を暴力的に排除して進める政府のやり方は本当に異常です。


「FoE JAPAN」理事の満田夏花さん
「FoE JAPAN」理事の満田夏花さん


 お手元に、表組みになっている「高江ヘリパッド建設 機動隊や防衛局による暴力・脱法行為・不当逮捕などの例」という一覧をお配りいたしました。

 警察法には警察がやるべきことが書いてある。警察法第2条第2項には「警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない」と書いてある。
 だが、警察はいまや完全に、防衛局の下請けのようになっている。歩いているだけの人を排除したり、記者を包囲して行動させない、ということをやっているのです。

 私がたまたま高江で目撃したときは、警察車両が作業員を乗せて運んでいました。警察は本来、そうしたことをやっていいところなのか。警察法は明確に禁じていている

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