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時代の正体〈509〉理念放棄 被爆国の失政 河野洋平氏が語る

時代の正体 神奈川新聞  2017年08月21日 09:44

河野洋平(こうの・ようへい)1937年、平塚市生まれ。67年の衆院選に自民党から出馬し初当選し、14期連続当選。76年に離党し、新自由クラブを結成。86年の復党後、官房長官や外相、自民党総裁などを歴任した。2003年から09年まで衆院議長を務め、同年引退。
河野洋平(こうの・ようへい)1937年、平塚市生まれ。67年の衆院選に自民党から出馬し初当選し、14期連続当選。76年に離党し、新自由クラブを結成。86年の復党後、官房長官や外相、自民党総裁などを歴任した。2003年から09年まで衆院議長を務め、同年引退。

【時代の正体取材班=石橋学、牧野昌智】憲法がうたう、平和を希求する理念はここでもうち捨てられた。唯一の被爆国でありながら核兵器禁止条約に参加せず、核廃絶を願う人々と国際社会を失望させた安倍晋三政権。衆院議長や官房長官、外相を歴任した河野洋平氏(80)は「明らかな失政」と断じる。ライフワークとして軍縮・核廃絶に取り組んできた自民党ハト派の重鎮は、政治の退廃をそこに映し見て、憂いを深めている。

 9日、戦後72年の「原爆の日」を迎えた長崎。「あなたはどこの国の総理ですか」「私たちをあなたは見捨てるのですか」。被爆者団体代表が迫る。なぜ、核兵器禁止条約に参加しなかったのか-。安倍首相は目を合わせることなく、核兵器なき世界の実現には、保有国と非保有国の参加が必要だとして「双方の橋渡しを行う」と述べるにとどまった。

 6日の広島での式典後の会見では「核兵器国と非核兵器国の立場の隔たりを深め、核兵器のない世界の実現をかえって遠ざける」と条約自体を批判してさえいた。

 7月7日の条例採択不参加に透けて見えた米国への配慮。対米追従の度を深める安倍政権に対する河野氏の失望は深い。

 「交渉に参加しないどころか、条約を批判する。こんな話はない。明らかな失政。日本は唯一の被爆国であり、核廃絶のために先頭に立つと、言い続けてきた。被爆者も国連で証言したり、お願いをしたり、汗を流してきた。なのに政府は会議にも出ないとは」

 東京・虎ノ門の事務所に張りのある声が続く。

 「橋渡しをするというが、これでは双方から信用されない。非保有国からは『どうせ核の傘が大事なのだろう』と耳を傾けてもらえず、米国に対しても説得力を持ち得ない。簡単なことではないが、究極的には核の傘から出ても構わないという決意を持たなければ核廃絶は前に進まない。このままでは唯一の被爆国が笑い話になってしまう」

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