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スガダイロートリオ5年ぶりアルバム「公爵月に行く」 

カルチャー 神奈川新聞  2019年06月22日 11:36

逗子市在住のスガダイロー
逗子市在住のスガダイロー。「最近は、窓から聞こえてくる鳥たちの鳴き声の変化を聞くのが楽しい」と話す。

 鎌倉育ちのジャズピアニスト・スガダイロー(45)が率いるトリオが5年ぶりの新作アルバム「公爵月に行く」をリリースした。ジャズ界の“公爵”デューク・エリントンが生誕120周年を迎えたことにちなみ、「Solitude」「African Flower」をカバー。「公爵月へ行く」などのオリジナル楽曲のほか、セロニアス・モンク、ジョージ・ガーシュイン、ハービー・ニコルス、市野元彦のカバー曲など表情豊かな計10曲が収録されている。

 オリジナル曲の「Acoustic Kitty」は1960年代、米中央情報局(CIA)がネコに盗聴器を仕掛けてスパイ活動に使おうとして失敗したエピソードから創作。「ネコはどう考えても戦争に向かないよね」と愉快そうに話す。また「男はつらいよ」の車寅次郎の名せりふをモチーフにしたものなど、ユーモアあふれる曲が並ぶ。

 一方で、繊細で美しいバラード「君の見る夢」は学生時代に作曲したもの。基本的には譜面を残さず、瞬間的に形を生み出しているというが「この曲は珍しく、もとの形に近い形で演奏できた」とスガ。「完成させた曲をそのままにしておくと古びていく。自分の創作は、ブロックを組み立て、形にして、遊び終わったらまた壊すイメージ。でもその素材は自分の中に残っていて、また違う形で使っている」と話す。

 生身の人間が芸術を生み出すことは、今後ますます価値を増していくのではないか、と語る。「CG(コンピューターグラフィック)を使わずに撮影していた昔の映画を見ると、群衆や危険なシーンもすべて本物の人間が演じている。すごみがあるし、今となってはぜいたくな作り方。ロボットが楽器を演奏できるようになった時代だからこそ、人間が演奏する音楽を聴くのは特別な瞬間だと思う」

 今回の作品は、トリオのメンバーとして新たに千葉広樹(ベース)と今泉総之輔(ドラム)を迎えた新編成後、初のフルアルバム。二人とも、ジャズ以外の分野でも第一線で活躍中のミュージシャンで「彼らがどういうアプローチをしてくるか楽しみ」とスガ。「普通じゃない和音やアレンジにも反応してくれるし、いい意味でジャズっぽくないところがいい」

 今は「ジャズ」のジャンルに収まるのではなく、適度な距離感を持っていたいという。「例えば、横浜のジャズバーに来た人が期待するジャズからは、自分の音楽は外れているかもしれない。ジャズっぽくはあっても、その枠組みからは自由な場所で、自分の音楽を表現したい」


6月19日発売の「公爵月に行く」(3240円)
6月19日発売の「公爵月に行く」(3240円)

スガダイロートリオ 
NEW ALBUM RELEASE 
TOUR FINAL
7月8日午後8時開演、渋谷WWW(東京都渋谷区)。自由席・前売り4500円など。VELVETSUN PRODUCTS☎080(3732)4465

スガダイローは7月25日にドルフィー2nd(横浜市中区)、同30日に桜木町ドルフィー(同)でも出演予定


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