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農と福祉を連携へ 農学博士が、新高齢者住宅提案 湘南

経済 神奈川新聞  2019年06月21日 10:49

「おやさいコミュニティ」の設立総会で事業概要を説明する河野代表取締役=藤沢市
「おやさいコミュニティ」の設立総会で事業概要を説明する河野代表取締役=藤沢市

 湘南エリアを対象に高齢者の住まいと農業参加を結び付け、超高齢社会に対応したコミュニティーの形成を目指すプロジェクトが始動した。日本大学生物資源科学部(藤沢市)の学部長や同大副学長を歴任した農学博士の河野英一さんを中心に、1級建築士、福祉・農業関係者らが連携し、事業化へ向けた株式会社を設立。高齢者が自立して生活できる新タイプのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を提案する。

 河野さんが代表取締役に就任した「おやさいコミュニティ」(同市)は6月に設立。「住民参加型の進化したサ高住」を具体化するための事業スキーム(枠組み)を構築し、事業主、入居者をサポートする。

 同社は新たな自立型サ高住のコンセプトとして「元気なシニアが集う」「入居者が運営に参加する」「生活を楽しむ」「社会とゆるやかにつながる」の4点を掲げる。都心部への交通アクセスが良く、自然環境にも恵まれた湘南エリアが事業展開の中心となる。

 かねて「農と福祉の連携」を模索してきた河野さん。農業への参加を通じ、入居者の健康や生きがいづくりとともに、一定の収入が得られるプログラムも用意する。希望者はハウス内、または近隣の農園で農業の技術、知識を学びながら農作業に従事。都市農業の新たな担い手を育成する狙いもある。

 また、入居者はそれぞれの経験や能力を生かし、調理やハウス内の修繕・清掃、庭や植栽の管理などに無理のない範囲で携わり、コミュニティーの一員としての意識を醸成。施設の一部にはカフェレストランなども設け、外部との交流の拠点として位置付ける計画だ。

 同社はこうしたサ高住の建築から運営提案までトータルに参画。事業化へ向けた土地診断、建築プランの作成、金融機関との交渉など土地所有者に対するさまざまな支援のほか、入居者の募集や地元医療、介護事業者の紹介や連携にも取り組む。

 河野さんは「超高齢社会と縮小する日本農業の双方を見据え、高齢者の住まいと農業をつなげ、課題解決のモデルとして発展させていきたい」と話している。


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