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時代の正体 ヘイトスピーチ考
刑事罰はなぜ必要か(上)日本初という重み

時代の正体 神奈川新聞  2019年06月21日 05:00

 「差別の禁止規定なら国立市などの条例にある。大阪市にはヘイトスピーチを行った者の氏名を公表し、制裁を科す条例がある。だが、刑事罰に踏み込んだものは日本で初めてになる」

 19日に川崎市長の福田紀彦が差別根絶条例に刑事罰を盛り込む考えを市議会で表明した数時間後、急きょ開いた会見で意義を説く弁護士の神原元の弁は冒頭から熱を帯びていた。

 「ヘイトスピーチ根絶のために極めて重要な歴史的一歩を記すものだ」

 ヘイトスピーチには罰則、それもより重い刑事罰で対処しなければならないというのが持論。ポイ捨てだって条例で2千円の過料が科される。人間の尊厳を否定するヘイトスピーチが罪に問われないでいていいのか。在日コリアンの殺害までも呼び掛けるヘイトデモが東京都内や川崎市内で頻発するようになった2013年から現場に立ち続け、その思いは強くなるばかりだ。刑事規制は人種差別撤廃条約の要請でもある。

 16年成立のヘイトスピーチ解消法も禁止規定すらない理念法にとどまる。「法施行後から3年でヘイト団体は巧妙化しているし、インターネット上のヘイトスピーチは全く解消されていない」。同法をきっかけに条例づくりの動きは徐々に広がるが、都条例もやはり制裁どまり。罰則を設けているのは香川県観音寺市だけで、行政罰の過料5万円以下だ。

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