1. ホーム
  2. 社会
  3. ヘイト規制、川崎市が刑事罰導入へ 全国初、条例目指す

ヘイト規制、川崎市が刑事罰導入へ 全国初、条例目指す

社会 神奈川新聞  2019年06月19日 23:01

 あらゆる差別を禁じ、根絶を図る条例の制定を進めている川崎市の福田紀彦市長は19日、ヘイトスピーチを規制するため、条例に刑事罰を盛り込む考えを明らかにした。市内でヘイトスピーチの被害がやまない実態を踏まえ、条例の実効性を確保するためには厳しい措置が必要と判断した。成立すればヘイトスピーチに刑事罰を設けた全国初の条例になる。

 市議会本会議で橋本勝氏(自民党)の代表質問に答えた。


市議会で条例について答弁する福田市長
市議会で条例について答弁する福田市長

 条例制定への決意と実効性の確保策について問われた福田市長は「あらゆる差別を許さない決意を持ち、市内で差別の根絶を目指す。多様な人々が集い、暮らす市にふさわしい条例になるよう市民の総意でつくり上げていく」との考えを表明。「表現の自由に留意しつつ、一定の要件に該当する差別的言動の禁止規定をはじめ、当該言動を繰り返し行う者に対しては行政刑罰に関する規定を設ける」と述べ、刑事罰を導入する方針を明らかにした。

 市は、6月中に開催される市議会文教委員会に条例案の素案を示す予定。刑事罰には懲役や罰金などがあるが、その内容や表現の自由を過度に規制しないための仕組みなどは素案の中で明らかにする。7月に市民の意見を募るパブリックコメントを行い、12月議会に条例案を提出して成立を目指すとしている。

 条例の制定を検討してきた市は3月、素案の前段階として、「差別のない人権尊重のまちづくり条例」(仮称)の骨子案を公表した。人種や性的指向、障害などを理由にした差別的取り扱いと差別的言動の禁止を明記。さらにへイトスピーチに関しては、市内で差別扇動団体のデモや街宣、集会で人権侵害が繰り返されている実態を踏まえ「実効性を確保する措置」を講じるとしていた。

 2016年6月施行のヘイトスピーチ解消法は禁止・罰則規定がなく、実効性が課題となってきた。この問題に詳しい師岡康子弁護士は「国に先駆けて刑事罰を導入し、差別を『犯罪』とする決断をしたことは、日本における反差別の取り組みを大きく前進させる画期的なもの」と評価した。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら


シェアする