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中華街にもスイーツの波 「食の街 発展にいい刺激」

横浜みなと新聞 神奈川新聞  2019年06月17日 16:07

あめがパリパリとなるように「ほどよくコーティングする技術がポイント」と話す楊麗華さん =横浜中華街
あめがパリパリとなるように「ほどよくコーティングする技術がポイント」と話す楊麗華さん =横浜中華街

 横浜中華街(横浜市中区)にスイーツブームの波が押し寄せている。今年に入ってタピオカドリンクや、イチゴなどのフルーツがくしに刺さったフルーツあめの人気が高まり取扱店が急増。これらを手に街をそぞろ歩いたり、「インスタ映え」を狙ってスマホで撮影する観光客の姿も見られる。食べ歩きならではのごみ問題も浮上するが、中華街側は、「食の街の発展にいい刺激」とブームを歓迎している。

 「店頭で販売する例も含めタピオカドリンクを扱うのは中華街で30店ほど」。中国でブームの専門店「答案 ANSWER TEA」のフランチャイズ店を4月、中華街に出店したミック(同区)の陳祖明社長(49)は説明する。

 20年以上前にもタピオカはブームだったが下火になった。2014年に台湾の専門店が日本に上陸すると若い女性を中心に認知度が上昇。会員制交流サイト(SNS)などで発信が進み、昨年以降は爆発的ブームになっている。


「ANSWER TEA」の店頭でスマホでタピオカドリンクを撮影する女性。同店は購入時に知りたいことを書くと、AIが回答してくれる
「ANSWER TEA」の店頭でスマホでタピオカドリンクを撮影する女性。同店は購入時に知りたいことを書くと、AIが回答してくれる

 当初は自由が丘など東京都内に店舗が増えたが、今年に入って中華街でも急増。点心で人気の「皇朝」を運営する同社はこうした動きをとらえ参入したという。「競争は激しいがいいこと。中華街が『タピオカドリンクの街』となり観光客が手軽に楽しめるようになれば。味を追求し、他店に勝ちたい」と陳社長は意気込む。人気の秘密はインスタ映えする見た目に加え「日本人好みのもちもちとした食感」と分析する。

 最近、特に店先で目を引く「フルーツあめ」。イチゴやブドウがくしに連なるように刺さり、かわいらしい。同市保土ケ谷区で中華料理店を営む楊麗華さん(39)が昨年12月末に中華街で「楊記福果(ようきふっか)」という商品名で売り出した。現在、約10店舗に卸しており、多い日は千本以上売れるという。

 中国では「氷(ピン)糖(タン)葫芦(フル)」と呼ばれる冬のデザート。約800年前、宋の王が名医も見放した貴妃の治療法を民間に求めたところ、サンザシを砂糖で覆ったものが処方され、治癒したことが由来という伝統的スイーツだ。


週明け、積み上がったカップやくしなどのごみを拾う横浜中華街発展会や地元町内会メンバー=横浜中華街
週明け、積み上がったカップやくしなどのごみを拾う横浜中華街発展会や地元町内会メンバー=横浜中華街

 楊さんは「私も来日後にホームシックになった。日本には中国人が多く、懐かしい味で元気づけようと発売したところ日本人にも人気が出た。みんなが笑顔になるデザート」と話す。イチゴの季節が終わっても、凍らせたものや他の果物で作るつもりだ。

 一方、ブームの陰でタピオカのカップやあめのくしなどのごみ問題も浮上する。休日明けには、本来捨てることができない自動販売機専用のゴミ箱周辺に積み上がる。店舗はゴミ箱を設置し、横浜中華街発展会協同組合や近隣店舗、町内会などが清掃するが追いつかない。発展会では「SNSで啓発するほかさまざまな策を考えつつ、行政にゴミステーションの設置なども訴えたい」と話している。


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