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会話録音で詐欺根絶! 県警が「迷惑電話防止機器」普及へ

社会 神奈川新聞  2019年06月17日 11:30

特殊詐欺対策に有効な迷惑電話防止機器を手にする本田さん=横浜市中区(画像の一部を修整しています)
特殊詐欺対策に有効な迷惑電話防止機器を手にする本田さん=横浜市中区(画像の一部を修整しています)

 高齢者を狙った特殊詐欺被害が深刻な中、県警が通話内容を自動録音する機能などを備えた「迷惑電話防止機器」の普及に努めている。犯行グループにとって電話をかける手順は欠かせないが、録音を嫌う習性があり、犯行の入り口となる電話を遮断する効果が期待される。普及を後押しする動きは自治体や地域の防犯団体にも広がりつつあり、県警は「官民で特殊詐欺への包囲網を狭めたい」と話す。

 「この電話は、振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」。防止機器を取り付けると、着信時にこんな警告メッセージが相手側に響き、自動的に録音が開始される。

 10日に機器を取り付けたのは横浜市中区在住の本田均平さん(74)。これまで特殊詐欺を疑わせる電話を受けたことはないというが、「年を重ねれば警戒心が薄れる。リスクを減らすために機器の設置が賢明だと判断した」。

 本田さんの元に貸与された機器は、加賀町防犯協会が購入し、加賀町署を通じて届けられた。同署の工藤浩一署長が同協会に機器の有効性を説き、協力を呼び掛けたところ、同協会が50台の購入を快諾した。同協会の高木正俊会長(73)は「被害の根絶に役立ててほしい」と話した。

 県警が2018年に認知した特殊詐欺の件数は2604件、被害総額は約58億円で、ともに過去最悪を記録。被害者のほとんどは高齢者だった。

 こうした状況を打開しようと、県警は昨春から迷惑電話防止機器の貸し出しを各署を通じて開始。現在、1300台余りが貸し出され、手元に残っていないほどという。特に今年2月末に都内で、事前に現金の保管状況などを尋ねるアポ電(アポイントメント電話)があった高齢女性宅に3人組の男が押し入り、女性が死亡した強盗致死事件の発生以降は、各署に貸し出しの問い合わせが相次いだという。県警生活安全部は「命まで奪う凶悪犯罪に発展したことで、危機感が広がったことが背景にあるのでは」と分析する。

 自治体にも取り組みが広がっている。大和市は市内在住の70歳以上の高齢者を対象に、昨秋から警告メッセージや自動録音機能を備えた電話機などの購入費を1万円を上限に補助。これまでにおよそ360件の申請があった。市の担当者は「購入後に、迷惑電話が減少したとの声が複数、寄せられている。市民の財産を守り、卑劣な特殊詐欺の撲滅に向けた強い意志を示していく」と話す。愛川町も本年度、65歳以上の町民らを対象に1万円を上限に録音機能付き電話機などの購入助成(購入費の4分の3)を行っている。

 県警生活安全部は「署長のトップセールスなどで取り組みの輪を広げ、高齢者の財産と安全を守っていきたい」としている。


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