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依然食べ歩き、車道で撮影… 鎌倉、マナー条例も変化無く

社会 神奈川新聞  2019年06月13日 22:16

 観光客らにマナー向上を促す条例が4月から施行された鎌倉市。迷惑行為を自粛するよう求めているが、小町通りで混雑時に食べ歩く姿が散見されるなど、市内の風景に大きな変化は起きていない。アジサイが見頃を迎える6月は、特に観光客でにぎわうシーズン。いかに条例を周知し、罰則のない条例に実効性を持たせるか、行政や関係者らが模索を続けている。


観光客らでにぎわう小町通り。沿道にはマナー向上を呼び掛ける旗が掲げられている=6月3日、鎌倉市
観光客らでにぎわう小町通り。沿道にはマナー向上を呼び掛ける旗が掲げられている=6月3日、鎌倉市

 施行から2カ月余り。条例で迷惑行為とされた観光客らの行動は今も、市内各地で見られる。

 飲食店が軒を連ねる小町通り。混雑する中、ソフトクリームや総菜などを食べながら歩く観光客らの姿がいまだ多く見られる。群馬県から訪れた女性(25)は「そんな条例があることを知らなかった」と驚く。

 鎌倉小町商店会の高橋令和会長(77)は「飲食しながら店に入ったり、ごみを路地にポイ捨てしたりする観光客も少なくない」と頭を悩ませる。店舗の商品に菓子をこぼされるといった被害もあるという。

 一方、人気漫画のアニメのオープニングシーンで使われ、聖地化した江ノ島電鉄鎌倉高校前駅近くの踏切でも、外国人観光客らが同じ構図を撮影しようと、公道にはみ出している。近くに住む女性(70)は「車が来てもすぐ歩道に移動しない人もいる。秩序を保ってほしい」と苦言を呈する。


観光客らによる公道での写真撮影が目立つ、江ノ電鎌倉高校前駅近くの踏切=鎌倉市内
観光客らによる公道での写真撮影が目立つ、江ノ電鎌倉高校前駅近くの踏切=鎌倉市内

 さらにハイキングコースでも、かねて登山や散策を楽しむハイカーとタイムを計るランナーが接触しそうになる事案が起きているという。ハイキングコースでのレースなどを禁止するよう求める陳情を提出し、注意を呼び掛けている市民団体「ハイキングクリーン」の御法川齊代表(77)は「条例をつくって終わりではなく、具体的な課題解決につなげなければいけない」と強調する。

 市と江ノ電は2019年度、17年度から実施する鎌倉高校前駅周辺への交通誘導員の配置を継続。市はハイキングコースの入り口など7カ所に条例を周知する看板を設置した。

 一方、同商店会は条例施行に合わせ、「マナーを守って鎌倉散策」などと記したのぼり40本を独自に作り、4月から沿道に掲げた。高橋会長は「地道に訴えかけていくしかない」と話す。市は今後、同商店会などと協議し、英語版も含めたポスターを作製、掲示して条例の周知を図りたい考えだ。松尾崇市長は「条例への理解を求めながら、市民や観光客らが気持ち良く過ごせるような仕組みを考えたい」としている。


鎌倉市公共の場におけるマナーの向上に関する条例 市、市民、事業者、観光客らがマナー向上を推進すると明記し、迷惑行為を市民と観光客らは行わない、市と事業者は未然防止することを努力義務としている。迷惑行為は、▽狭く混雑した場所での食べ歩きなど、他者の衣類を汚す恐れのある行為▽車道や線路周辺で立ち止まるなどして撮影▽山道など狭く混雑した場所を走りながら歩行者を追い抜いたり競技会を開いたりする-など9項目。


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