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自閉症・松橋さんの絵画、海外で評価 迫力の中に緻密さ

話題 神奈川新聞  2019年06月09日 11:40

ポンプ車を描いた作品を手に、ほほ笑む松橋さん=横須賀市武1丁目
ポンプ車を描いた作品を手に、ほほ笑む松橋さん=横須賀市武1丁目

 横須賀市内の障害者支援施設に入所する松橋巧実さん(27)の絵画が、海外で高い評価を受けている。主に大好きな車を3色のボールペンで描いた作品は、迫力の中に緻密さがあるのが特徴。その才能が認められ、昨秋から今春までパリで開かれた障害者らの芸術展覧会にも出展した。音楽グループから作品を使いたいとの申し出も来ており、松橋さんの創作意欲は増すばかりだ。

 自閉症の松橋さんは2010年、障害者の就労を支援する「清光園」(同市武1丁目)に入所。朝から夕方までパン作りに精を出す傍ら、生活する園近くのグループホームで夕食後に創作活動を続けている。

 松橋さんは赤、黒、青の3色のボールペンを愛用。作品によって色鉛筆やフェルトペンを使う。主に消防車やパトカー、トラックなどを、カレンダーや折り込みチラシの裏に描く。

 同園施設長の松田美由紀さん(46)によると、紙いっぱいに描かれた車は迫力がある一方、細部に目を凝らすと、フロントガラスに写った風景やホイールのボルトを緻密に再現もしている。

 また同窓会や地域のイベントに友人らを招待する内容の文章を書き込み、末尾に「巧実より」と添えられた作品もある。松田さんは「他人とのコミュニケーションが苦手な彼なりのメッセージでは」とみる。

 作風に才能を感じた松田さんらの勧めもあり、松橋さんは、昨年9月から今年3月までパリ市立アル・サン・ピエール美術館で開かれた芸術展覧会「アール・ブリュット ジャポネ2」に応募。絵と文章の両方が認められ、作品29点を出展した。会場で販売した旧型の消防車をあしらった絵はがきは、用意していた千枚が完売。作品を鑑賞したベルギーの音楽グループから「CDのジャケットに絵を使わせてほしい」とのオファーも届いたという。

 松橋さんは、自らの作品を多くの来場者が鑑賞したことを喜び、「また美術館に作品を飾って、たくさんの人に見てもらいたい」と意気込んでいる。


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