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「差別解消する法整備を」 ヘイト解消法施行3年でシンポ

社会 神奈川新聞  2019年05月30日 05:00

人種差別撤廃基本法の必要性を説く師岡弁護士
人種差別撤廃基本法の必要性を説く師岡弁護士

 ヘイトスピーチ解消法の施行3年を前に、求められている反人種差別政策を考えるシンポジウムが29日、東京都千代田区の参院議員会館で開かれた。外国人の人権侵害の拡大が懸念されるとの問題認識から改正出入国管理法をテーマに据えた。登壇者は28日に起きた登戸児童殺傷事件や、差別根絶条例など川崎市の事例を引きながら、新たな立法措置の必要性を説いた。

 ジャーナリストの安田浩一さんは川崎市多摩区の殺傷事件に言及した。「事件自体許しがたいが、『川崎だから犯人は在日コリアンだろう』というデマがインターネット上にあふれている。凶悪事件のたびにヘイトスピーチまみれのデマが流布され、信じる人によって拡散されている」

 著名人や政治家、有識者までもが差別扇動の発信源となっている現状に「ヘイトスピーチ解消法ができた以降も野放しで、実効性を考えないといけない」。通底する問題として、ニューカマーの外国人の人権がないがしろにされている現状とともに提起した。

 指宿昭一弁護士は法の不備を指摘した。「この国には人権基本法も多文化共生推進法もない。入管法も外国人を管理するためのもので、人権を守るものではない。差別の温床にもなっている」


野放しのヘイトスピーチの問題を訴えた安田さん=参院議員会館
野放しのヘイトスピーチの問題を訴えた安田さん=参院議員会館

 外国人の受け入れ拡大のために「特定技能」を設けた新制度については「在留を上限は5年で家族滞在も認めていない。社会保障などの責任を負わずに労働力を使い捨てにしたい本音が明らかだ」。従来の技能実習制度でみられたブローカーによる搾取などの問題が新制度でも温存されているとし、「労働者としての権利を守れる制度が必要で、技能実習制度は廃止するべきだ」と強調した。

 国士舘大の鈴木江理子教授は特定技能制度の施行に伴い実施される総合的対応策の不十分さを解説。「特定技能は新たな不自由な労働者。制度的不平等が拡大し、差別が拡大する」との認識を示した上で、ヘイトスピーチや就職、入居での差別が横行している現状に「差別を解消する法整備が必要だ」と訴えた。

 シンポは外国人人権法連絡会など非政府組織(NGO)や市民団体が主催し、約150人が参加した。

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