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九州豪雨1カ月災害支援垣根越えて オール神奈川へ「さくら会議」

社会 神奈川新聞  2017年08月06日 10:21

「さくら会議」で被災地支援について話し合う沢田さん(左から2人目)ら=2日、横浜市神奈川区のかながわ県民センター
「さくら会議」で被災地支援について話し合う沢田さん(左から2人目)ら=2日、横浜市神奈川区のかながわ県民センター

情報共有 誰でも参加できる「場」


 九州北部の豪雨を機に、神奈川県内の災害ボランティアが効果的な支援を探る常設的な意見交換の場を設け、情報共有を始めた。所属団体の垣根を越えて機敏に活動するのが狙いで、個人にも門戸を開いたのが大きな特徴。昨年4月の熊本地震で支援団体間の連携を図る会合を持ったが、被災地にさらに寄り添った活動を展開するため、一歩進めた形だ。神奈川が今後、被災地となった場合に支援の経験やノウハウを地元に還元することも視界に入っている。

 NPO法人「神奈川災害ボランティアネットワーク」や県内各地のボランティアネットなどの有志が7月半ばにスタートさせたのは、「さくら会議」。これまでに4回の会議を開き、被災地の最新状況やニーズを集約しているが、代表者は置いていない。開設したフェイスブックも含め、関心のある人が自由に参加できるようにした。

 防災先進地・静岡で先行する「しずおか茶の国会議」を参考にした試みで、既に30人以上が加わっている。やまと災害ボランティアネットワークの市原信行代表理事は「各団体の取り組みとは別に、オール神奈川で被災地を支えていきたい」と思いを明かす。

 これまでの議論で形になったのは、水害で被災した家屋からの泥の運び出しといった直接的な活動を希望する有志の派遣。

 神奈川からボランティア団体の取り組みとして現地を支援するには、意思決定や調整などに一定の期間を要するケースが多い。一方で、距離的に遠い九州は往復や移動に時間を割かれ、個人で出向いても十分な活動ができないという課題がある。

 さくら会議はこうした点を踏まえ、被災地で受け入れ窓口となる全国的な支援団体とも協力。ボランティアの活動先や宿泊先を事前に確保しておき、スムーズに作業に入れるようにした。第1弾のメンバーは今月4日に福岡入りし、支援活動を始めている。

 今後も日程を調整した上で有志の派遣を継続。派遣を重ねることで、本来は現地入りせずに神奈川での情報発信や救援物資の募集といった支援を行う団体の所属メンバーでも、被災地で経験を積めるようにする狙いもある。

 2日の会議では、「被災した住宅から泥を除去するための高圧洗浄機が不足している」といった情報が共有された。「まだ支援が入っていない地域もある」として継続的な活動の必要性が強調される一方、九州豪雨後に水害に見舞われた秋田県に対する支援も検討。「距離が近い秋田を手伝う方がよいのではないか」との投げ掛けもあった。

 また、「今のこうした動きが知られていない」との反省から、情報発信の強化も課題に挙がった。

 今後に向けては、時季や復旧の進み具合に応じて刻々と変化する被災地の需要をより的確に捉えることを確認。今月下旬に行う次回の会合では、インターネット電話「スカイプ」を利用して現地のボランティアセンターや支援担当者と会話し、仮設住宅への入居を見据えた新たなニーズや課題などを探る予定だ。

 神奈川レスキューサポートバイクネットワークの沢田健介副代表は「さくら会議は団体ではなく、自由に集える『場』。そうした趣旨を含めてもっとアピールし、輪を広げていきたい」と今後を見据える。


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