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川崎市、木質化で民間建物にも補助 森林環境譲与税を活用

政治行政 神奈川新聞  2019年05月26日 17:21

奥多摩産材を活用した神田明神文化交流館=東京都千代田区
奥多摩産材を活用した神田明神文化交流館=東京都千代田区

 公共施設の木質化を進めてきた川崎市は本年度、取り組みを民間の建築物にも広げる方針を打ち出した。木材を積極的に活用した建築物に対する補助制度を新設。木のぬくもりあふれる空間を増やして街の魅力を高めるとともに、木材の利用拡大につなげる考えだ。

 補助制度は、今年9月に全国の自治体に初めて分配される森林環境譲与税を財源として創設する。事業費として1千万円を予算化。一般市民が気軽に出入りできる施設を対象に、建築費のうち木材活用分の2分の1を補助する。

 同様の制度は東京都などが既に導入している。都の外郭団体が運営する制度は、多くの利用者が集まり公共性の高い商業施設や駅などが対象。奥多摩産材を使って内外装の木質化を図る事業者に、5千万円を上限に経費の2分の1が支給される。川崎市では、使用する木材の産地にしばりは設けない方針。ただ、幅広い市民に森林環境への理解を深めてもらうため、補助を受けた施設には林産地の紹介などPRに協力してもらうことを検討している。


JR青梅線奥多摩駅舎=東京都奥多摩町(いずれも都農林水産振興財団提供)
JR青梅線奥多摩駅舎=東京都奥多摩町(いずれも都農林水産振興財団提供)

 市は2014年、公共施設での利用促進の方針を掲げ、宮崎県と基本協定を締結。国産の木材の利用やフードビジネスの分野などで連携・協力を進めてきた。さらに15年には、建設会社や設計事務所、不動産会社などの事業者とともに「市木材利用促進フォーラム」も設立。官民一体で木質化を後押しする施策を検討してきた。

 こうした中、森林環境譲与税が本年度から前倒しで全国の自治体に配られることが決まった。同税は、大都市には国産木材の消費を、林産地には森林の整備をそれぞれ促すことが目的。配分額は、私有林・人工林の面積や林業就業者とともに人口も加味して算定され、横浜市が全国最多の約1億4200万円を受け取る見通しという。川崎市も大規模な林産地を抱えていないものの、約5650万円と試算され、木材利用の一層の推進が求められる状況にある。

 市は今夏にも、補助を希望する事業者を募る予定。対象は年度内に工事が完了する物件となる見込み。担当者は「公共施設だけでは効果は限定的。民間にも広げることで、なぜ国産材を使うのかを市民全体で考えるきっかけにもなるのではないか」と話している。


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