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二宮町教委が講演
一貫教育で「生きる力」 小中統廃合、月内に計画案

政治行政 神奈川新聞  2019年05月22日 05:00

小中一貫教育のメリットなどについて解説する町教育委員の原さん=二宮町立一色小学校
小中一貫教育のメリットなどについて解説する町教育委員の原さん=二宮町立一色小学校

 二宮町が2022年度以降の導入を目指す町立学校の小中一貫教育について、仕組みやメリットなどを考える講演会がこのほど、同町立一色小学校(同町百合が丘)で開かれた。町教育委員会は町立小中学校の統廃合と一貫教育校の設置計画を本年度中に策定する方針。講演した教育委員は小中9年間を見通したカリキュラム編成の効果として「学力が向上するだけではなく、幅広い年齢層が交流することで不登校やいじめも減らすことができる」と強調した。
 
 小中一貫教育校を巡っては17年度、町は県教育委員会の「小中一貫教育推進モデル校」指定を受け、中学校の教諭が町内3小学校で英語の授業を行うなどの取り組みを続けてきた。

 講演会は、地域の課題を住民らが共有しようと、地域住民らでつくる「一色小学校区地域再生協議会」が18日に開催。住民ら約60人が参加した。

 登壇したのは町教育委員で小中学校の教員を長年勤めてきた経験のある原道子さん。「小中の六三制は70年以上変わっていない。多様化する教科指導に現在の学校システムは対応できていない」と指摘し、学習内容や環境の変化になじめず不登校に陥る「中1ギャップ」の解消が一貫教育の狙いと説明した。

 さらに09年から一貫教育をスタートした京都市立京都大原学院の事例を報告。もともと、隣接した小学校と中学校の校舎を渡り廊下でつなげ、現在は小規模保育施設も開設し、0歳児から15歳までの学び舎(や)となっている。

 小中の9年間を「四・三・二」の前期・中期・後期に分け、3年生の理科では中学校の専科教員が授業を行っているという。1年生の教室のすぐ近くに9年生(中学3年生)の教室を置き、毎日の掃除当番も運動会などの学校行事でも1~9年生が一緒に参加する。「小さい子をお兄さんとお姉さんが面倒を見ることでいじめも減る。また、学力が向上した実績もある」とメリットを説明した。

 町教委は児童生徒数の減少から段階的に小中学校を統廃合する方針。当面の間は別々の校舎のまま教員同士が連携する形でスタートし、最終的には同じ校舎での一貫教育を目指す。町教委は5月中に計画案をまとめ、7月に住民との意見交換会を実施する予定。原さんは「少子化で1クラスしかない単級化も進む。(学校統廃合で)適正な学校規模での教育が必要。多様化し予測困難な時代に『生きる力』を育んでいく」と理解を求めた。

 同協議会地域交流部会の山本正博部会長は「賛否はある。正しい理解から町民も建設的な議論ができれば」と呼び掛けている。


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