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ロープウェイ全線運休 箱根山警戒レベル2に

社会 神奈川新聞  2019年05月20日 05:00

気象庁 4年ぶり引き上げ


箱根山の規制状況
箱根山の規制状況

 箱根山(箱根町)の火山活動が活発化したとして、気象庁は19日、5段階の噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げた。レベル2への引き上げは2015年5月以来、4年ぶり。これを受け町は、15年から噴気活動が続く大涌谷の園地を全面的に立ち入り禁止とし、箱根ロープウェイは全線運休を決めた。同庁は「大涌谷の火口域内に影響を及ぼす噴火が発生する可能性がある」とし、噴石の飛散や火山灰などへの警戒を呼び掛けている。

 町によると、規制範囲は大涌谷の火口域や箱根ロープウェイ大涌谷駅を含む半径440~530メートルの楕円(だえん)形のエリア。これまでは午前9時から午後5時までの時間限定で規制を解除し、観光客が噴気地帯を見学できるようにしていたが、19日からは終日の規制とした。大涌谷へ通じる県道734号線も、「大涌谷三差路」から通行止めとなっている。

 町や県などは同日、臨時の箱根山火山防災協議会幹事会を小田原市内で開催。4年前の経験を踏まえつつ、避難計画や誘導マニュアルに基づいて安全確保に努めていく方針を確認した。

 気象庁によると、箱根山では、18日午前5時ごろから芦ノ湖西岸を中心に微小な火山性地震が多発。19日午後3時までに計93回を数えた。このうち19日午前8時53分ごろのマグニチュード(M)2・6の地震では、箱根、湯河原両町で震度1を観測した。17日は1回も地震がなかった。

 また、3月中旬ごろからは、箱根山の山体膨張を示唆する地殻変動が観測されている。警戒レベル引き上げ後に行った19日の現地調査では、大涌谷の噴気に特段の変化はなく、噴出物も確認されなかったという。

 箱根山では15年4月から火山性地震が多発し始め、5月に地表から噴出する蒸気の勢いが激しくなった。同年6月に起きた観測史上初の噴火後、噴火警戒レベルは3(入山規制)まで引き上げられたものの、活動が徐々に落ち着いたことから、同年11月からレベル1が続いていた。

 ただ、大涌谷ではその後も噴気の勢いが弱まらず、火山ガスの濃度が安全なレベルにまで低下していないため、観光施設のある大涌谷園地は、時間を限定した上での部分的な開放にとどまっていた。


箱根山 東西約8キロ、南北約12キロのカルデラ火山の総称。気象庁が火山活動を24時間体制で監視する「常時観測火山」の一つ。噴火警戒レベルは2009年3月31日に導入された。主峰の神山(1438メートル)では約3千年前にマグマ噴火が発生し、溶岩ドームが冠ケ岳を形成した。この際、斜面が大きく崩れる「山体崩壊」が起き、堆積物がカルデラ内の川を埋めて芦ノ湖が現在の形になった。近年では01年に活発な火山活動があり、06、08、09、11年にも比較的大規模な群発地震が起きた。


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