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平塚市の龍城ケ丘プール跡地整備 現地海岸歩き、市民議論

政治行政 神奈川新聞  2019年05月18日 16:17

龍城ケ丘プール跡地など周辺を歩き平塚海岸の現状を考えた公開講座 =平塚市龍城ケ丘
龍城ケ丘プール跡地など周辺を歩き平塚海岸の現状を考えた公開講座 =平塚市龍城ケ丘

 平塚市が2021年度以降の供用開始を目指している龍城ケ丘プール跡地(同市龍城ケ丘)の公園整備を巡り、市民有志による議論が活発化している。市民側からの議論の足掛かりにしようと、海洋土木工学の研究者を招いた講座がこのほど、同市内で開かれた。平塚の砂浜で浸食が進んでいることから研究者は「砂浜は日本の資源。自然現象を考慮しない計画で手を加えれば必ずしっぺ返しを食らう」と警鐘を鳴らした。

 平塚の砂浜が消えている中で海岸に新たな施設を造るべきか-。プール跡地整備を巡る議論に「一石を投じたい」と市民らでつくる「フォーラム平塚の海を考える会」が主催した。

 海岸浸食などについて研究する土木研究センターなぎさ総合研究所(東京都台東区)の宇多高明所長が2日、ひらつか市民活動センター(平塚市見附町)で講演。プール跡地もある平塚海岸を歩き、現地見学会も行われた。

 かつて相模川から流れた砂が堆積してできた平塚の砂浜。しかし、河川周辺の開発などから砂の流入量が減少し、海岸線は1954年から最大45メートル後退した。2000年、河口部に平塚新港が完成したことで、宇多所長は「現在は川からの砂が一切、海岸に運ばれていない状態。平塚の砂浜が自然に回復することは今後ない」と指摘した。

 プール跡地については海岸線との距離が短い上に防砂林が途切れ、柵が途切れた間から砂が流れ込んでいる現状を強調。「冬季に風が南西から流れてきていることが考慮されていない。施設が完成したとしても流れ込む砂に悩まされるのでは」と予想する。

 参加者からは「市の計画では防砂林も伐採される可能性がある」「行政が民間に丸投げして計画を進めようとしている」と不安の声も上がった。宇多所長は「砂粒ができるのには6千年の歳月がかかっている。自然と人間が接触する場をなくしてはいけない」と砂浜保全の重要性を説いた。

 講座はNPO法人「暮らし・つながる森里川海」(臼井勝之理事長)など環境団体が中心に企画した。同法人などは昨年6月に整備計画を巡って市に要望書も提出。今後も講座などを開く一方で、行政との話し合いの場を模索している。

 臼井理事長は「平塚の海を後世に残していきたい。そのためにどのような施設にすべきか。反対運動をしていきたいのではなく、考えていく活動がしたい」と強調する。

 プールは老朽化を理由に13年に閉鎖された。市は「海を身近に憩えるスポット」と位置づけ、跡地周辺約3万平方メートルに駐車場や飲食施設などを含めた公園施設を計画したが、地元住民らが反発。20年に予定していた開業時期を21年度以降に先送りした。


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