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拳銃入れ裂けた可能性 磯子の発砲事件

社会 神奈川新聞  2019年05月17日 23:52

 横浜市磯子区で4月、警察官が男に拳銃を一時奪われて発砲された事件で、警察官が携帯していた革製の拳銃入れが裂けて、拳銃を奪われたとみられることが17日、県警への取材で分かった。警察官が男ともみ合った際に、何らかの原因で拳銃入れの継ぎ目部分が裂けたとみられる。

緊急点検、交換進める県警


警察官が拳銃を奪われ発砲事件が起きた現場=4月12日、午後1時半ごろ、横浜市磯子区
警察官が拳銃を奪われ発砲事件が起きた現場=4月12日、午後1時半ごろ、横浜市磯子区

 県警は内規で月1回以上、拳銃と拳銃入れを点検するよう定めているが、事件を受けて確実な履行を改めて通知。本部や全署で既に緊急点検を実施し、劣化が認められた拳銃入れは交換した。

 事件は4月12日午前11時35分ごろ、同区岡村1丁目のアパート敷地内で発生。男が車を蹴っているとの110番通報で駆け付けた磯子署地域課の男性巡査部長(37)が、トラブルの仲裁に入ったところ、近くに住む無職の男(31)ともみ合いになり、拳銃を奪われて実弾1発が発射された。巡査部長の至近で発砲されたが、けが人はなかった。銃弾は近くの路上で見つかった。

 同容疑者はその場で公務執行妨害容疑で現行犯逮捕され、今月3日に銃刀法違反容疑(発射)で再逮捕された。

 県警によると、巡査部長の拳銃入れを調べたところ、拳銃を納めている革の継ぎ目部分が裂けているのが確認された。継ぎ目は特殊な縫合がされている上、接着剤を用いて強度を確保しているという。拳銃入れは拳銃とセットで貸与されるが、拳銃入れの貸与時期は不明としている。

 県警幹部は「拳銃入れが裂けたという話は、ほとんど聞いたことがない。拳銃自体は念入りに点検しても、拳銃入れのチェックは行き届いていない可能性もあると受け止め、点検を徹底する必要がある」と話した。

 県警によると、2018年に認知した警察官に対する公務執行妨害事件は88件。出動した警察官がトラブルに巻き込まれるケースは後を絶たず、幹部は「今回はけが人がなかったが、警察官の受傷はもちろん、一般の人にも危害が及びかねない状況だった。県民の体感治安に与える影響も深刻だ。治安を守るための拳銃が、一般人や警察官に向けられる事態はあってはならず、不断に装備の点検を徹底する」とした。

 横浜地検は17日、公務執行妨害と銃刀法違反(発射)の容疑で送検された同容疑者について、刑事責任能力の有無や程度を調べるため鑑定留置を開始したと明らかにした。期間は同日から約3カ月。


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