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自分が変わる瞬間描く ミュージカル「カラーオブライフ」

カルチャー 神奈川新聞  2019年05月16日 17:43

伸びやかな演技と歌声を披露する東啓介(撮影・岡千里)
伸びやかな演技と歌声を披露する東啓介(撮影・岡千里)

 大切にしたいと思える人と出会うことで、自分が変わっていく。そんなまぶしい瞬間を美しく描いた作品が、ミュージカル「Color of Life(カラーオブライフ)」。登場キャストは二人だけというコンパクトな舞台ながら、広い世界観を感じさせる。

 東日本大震災の衝撃から絵が描けなくなった和也。愛する人に出会って外の世界に心を開き、再び絵筆を執った和也の喜びを、東啓介が体をいっぱいに使って表現する。伸びやかで柔らかい歌声が、希望に満ちた期待感に合う。

 一方、恋人を失った同性愛者だが、和也を愛することで幸福を感じるようになるという難しい役どころのレイチェルを、青野紗穂が魅力的に演じた。生き生きとした表情で、二重国籍でバイリンガルというレイチェルに現実感を持たせる。

 舞台を挟んだ対面式の客席は、役者を四方から眺められ、距離も近い。身近に感じることで、二人の感情や場の設定にすんなり同調できる。幸せいっぱいなやりとりに、見ている方も思わず笑みが浮かぶ。

 舞台装置は最小限で、折り畳みのいすがスーツケースになったり、飛行機の座席になったりとユニーク。機内で初めて出会った二人の会話は、座席の位置を随時動かして場を変えることで時間の経過を表現し、パントマイムやテンポ感のあるせりふの応酬といったコミカルな要素が楽しい。

 せっかくの二人芝居なので、もう少しハーモニーが楽しめる楽曲があってもよかったように思うが、複雑な楽曲もやすやすと聴かせるうまさに聞きほれた。

 4月26日相模女子大学グリーンホールのプレビュー公演を鑑賞。東京公演はDDD青山クロスシアターで5月27日まで。全席指定8千円。問い合わせはワタナベエンターテインメント電話03(5410)1885=平日午前11時~午後6時。


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