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外国人に人気の箱根で白タク行為 中国人の男を逮捕

社会 神奈川新聞  2019年05月15日 22:21

白タクの違法性などについてドライバーに説明する小田原署員ら=2月、大涌谷園地
白タクの違法性などについてドライバーに説明する小田原署員ら=2月、大涌谷園地

 訪日外国人に人気の箱根で、中国人観光客相手に無許可でタクシー営業(白タク行為)をしたとして、県警交通捜査課と外事課、小田原署は15日、道路運送法違反の疑いで、中国籍で自称アルバイトの男(32)=千葉県鎌ケ谷市=を逮捕した。急増する訪日外国人観光客をターゲットにした外国人の白タク行為を県警が摘発したのは初めてという。

 箱根町では、白タク行為が横行しているとして、町議会が昨年12月、対策強化を求める意見書を可決。運送事業者をはじめ、地元経済への悪影響が懸念されており、県警が警戒を強めていた。

 逮捕容疑は、14日、国土交通相の許可なしに自家用車に観光客の中国人男性(58)を乗せ、箱根町仙石原の駐車場から同町二ノ平の宿泊施設までの約7キロを有償で運んだ、としている。調べに対し、「白タク行為をしたのは間違いない」と容疑を認めている。

 県警によると、男性が日本で観光する際のドライバー探しを在日中国人の友人に依頼したところ、同容疑者が引き受けたという。白タク行為を警戒していた捜査員が、男性を乗せた同容疑者の自家用車を追跡。事情を聴いたところ、違法行為が発覚した。

 県警によると、訪日外国人の増加を背景に、ここ数年、箱根などで主に在日中国人が中国から来た観光客を違法に運送するケースが目立つという。言葉が通じることが横行の背景にあるとみられるが、捜査幹部は「旅客運送に必要な免許を持たないなど、安全面でも極めて問題が大きい。県内の観光地で引き続き目を光らせていく」としている。


継続的取り締まり期待


白タク行為防止のため2月に行われた啓発活動=箱根町仙石原の大涌谷園地
白タク行為防止のため2月に行われた啓発活動=箱根町仙石原の大涌谷園地

 年間2千万人超の観光客が訪れる国際観光地・箱根では近年、訪日外国人客(インバウンド)をターゲットにした無許可のタクシー営業(白タク行為)が横行し、関係機関が対策に苦慮していた。県タクシー協会小田原支部は「箱根で1日数十台は走っているのではないか」(曽我良成支部長)と推測する。

 来年の東京五輪に向けてインバウンドはさらに増える見込みで、県警や国土交通省などは警戒を強化。2月には中国人観光客が多く訪れる春節(旧正月)に合わせ、大涌谷園地(同町仙石原)で啓発活動を実施した。「白タクは違法です」などと日本語や中国語で書かれたチラシをドライバーらに配布した。

 成田や羽田など空港まで送迎するケースもあり、曽我支部長は「鉄道やバスも含め全国の交通機関が旅行客を乗せる機会を奪われている」と経済的な損失を指摘。また、「(白タクのドライバーは)道や交通ルールに不慣れ」とし、住民や観光客を巻き込んだ事故の発生も懸念する。

 今回の摘発について「(白タク)撲滅に向けた第一歩」と歓迎しつつも、「氷山の一角であり、継続的な取り締まりが必要。旅行者には正規の交通機関を利用してほしい」と訴える。


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