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【特報】鉄道のおもてなし大丈夫?

社会 神奈川新聞  2017年08月01日 09:56

日英中韓の4カ国語の表示がある成田エクスプレスの車内
日英中韓の4カ国語の表示がある成田エクスプレスの車内

 券売機の「英語表示」ボタンを押すと切符が買えない? 振り替え輸送で空港に行けない? 駅や列車内でしばしば出くわす、困惑した外国人旅行者の姿。東京五輪・パラリンピックのある2020年に、政府は年間4千万人の訪日客受け入れを目指すという。鉄道の「おもてなし」は万全だろうか。記者が経験した「事件」を例に考えたい。

 初夏のある午後のこと。横浜から成田空港へ向かうJRの特急「成田エクスプレス」が、先行列車の故障のため途中の東京駅で運行中止になった。この日の客の大半は外国人で、状況がのみ込めず座ったままの人も多かった。

 車内放送は当初、日本語だけ。やがて「事故で運転を見合わせる」と英語でアナウンスされたが、録音された音声で「では、どうすれば?」の情報がない。帰国につながる重要な列車ゆえ、乗客は不安顔だ。

 10分ほど経過し、駅員が迂回(うかい)ルートを記した紙片を配り始めた。タブレット端末を示しての案内もあった。代替策として勧められたのは、京成電鉄の成田空港行き「スカイライナー」。だが、これがさらなる混乱の元に…。

■乗換駅の壁
 そもそも不案内の旅客にとって、京成への乗換駅、日暮里までの移動は一大事だ。駅の数こそ東京から六つと近いが、厚い「壁」がそびえている。

 成田エクスプレスのホームは地下5階。一方、日暮里に行く山手線と京浜東北線は地上2階。エスカレーターを経由し数百メートルは歩く。しかも両線のうち京浜東北線に乗ってはいけない。昼間は全て快速となり、日暮里を通過するからだ。そういった注意を促すべき駅員は、ホーム上にいない。日本の中心的ターミナルであり、外国人も数多く利用する東京駅で、だ。

 「どうやって行けばいいのでしょうか」。成田エクスプレスの車内で、記者は声を掛けられた。香港から来たという30代ぐらいの英語を話す女性。結局、そこにいた数人と一緒に空港まで行くことにした。移動中の山手線で彼女は言うのだった。「独りだったら分からなかった」「こういうことは頻繁にあるのか」

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