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「まごころキッチン」1周年 災害時に料理提供へ

話題 神奈川新聞  2019年05月14日 05:00

まごころキッチンプロジェクトのPRをする小野さん(右)=今年2月、川崎市中原区(同プロジェクト提供)
まごころキッチンプロジェクトのPRをする小野さん(右)=今年2月、川崎市中原区(同プロジェクト提供)

 災害時に料理を無償で提供しようと、飲食店関係者で組織する団体「まごころキッチンプロジェクト」(川崎市麻生区)が4月、結成1周年を迎えた。地域のイベントにも参加し、災害への備えを呼び掛けるなど活動の幅も広げつつある。介護士で代表の小野さくらさん(43)は「避難所に行くのが困難なお年寄りやペットのいる人、子連れ世帯の力になれれば」と話している。

 昨年2月に起きた福井県での大雪。国道で車両1500台が立ち往生し、国道に面したラーメン店が運転手らに温かいラーメンを無償で提供するニュースが流された。「川崎でも災害が起きたら自分たちも同じことをしたい」。映像を見た小野さんと、ラーメン店を経営する夫の貢一さん(38)で、そんな会話を交わしたことがきっかけになった。

 夫婦でカフェをやっている友人らに相談。「停電時は冷蔵庫も使えなくなる。中の食材も無駄にしてしまうぐらいなら、困っている人に提供しよう」との思いを共有。同プロジェクトの立ち上げが決まった。

 賛同者は広がり、現在は川崎と横浜両市のパン店や料理店など10店舗が加盟する。「緊急災害時飲食提供店」と記された鮮やかなオレンジ色のステッカーを店頭に貼り、万一の事態に備えている。

 今年2月には川崎市内の市民団体が活動をPRする「ごえん楽市」にも出展。プロジェクトの紹介をするとともに、災害食の「アルファ化米」の食べ比べを実施し、来場者に災害への備えを呼び掛けた。

 課題は参加店舗の拡大だ。「店舗数の多いチェーン店は、本部の承諾など意思決定に時間がかかる。個人商店は『想定以上に人が来たら困る』と尻込みする店主も少なくないようだ」と小野さん。麻生区は東日本大震災後の計画停電の影響も少なく、海から離れていることから、小野さんは「安全な地域で防災の意識が低い人もいる」と危機感を抱いている。

 今後は、飲食と密接につながる災害時のトイレ問題に取り組む構想もある。小野さんは「食べ物の提供を通じて被災者の孤立も防げると思う。飲食店が経験を生かして衛生や火元の管理をしながら災害を乗り越えていければ」と話している。

 問い合わせは、小野さん電話090(3813)8974。電子メールはinfo.magokoro.kitchen@gmail.com


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