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収監者 即時解放を 家族奪われた県内在住者が訴え

社会 神奈川新聞  2019年05月13日 13:26

中国の弾圧激化 新疆ウイグル自治区


収容所の閉鎖とウイグル人の釈放を求める県内在住の男性=県内の飲食店
収容所の閉鎖とウイグル人の釈放を求める県内在住の男性=県内の飲食店

 中国西部の新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル人らイスラム教徒への弾圧が激化している。国連や欧米諸国、人権団体などは最大で100万人を超える人々が強制収容所に収監されていると非難。県内在住のウイグル人も親族や友人を収監され、不安の日々を過ごしている。収監者の即時解放と収容所の閉鎖を中国政府に呼び掛けるよう、日本の世論の高まりに期待する。

 「一番下の弟は41歳だったが収容所で死亡した。6歳の娘と2歳の息子が残された。一刻も早く収容所を閉鎖してほしい」

 小田急線の駅にほど近い喫茶店。県内で暮らすウイグル人女性は流ちょうな日本語でこう語った。現地の大学を卒業後、日本へ留学。日本国籍を取得した。亡くなった弟とはきょうだいの中でも特に仲が良く、スマートフォンのアプリで毎日連絡を取り合う関係だった。

 県内在住の別の女性は兄と妻が連行され、現在も生死が分からないまま。「兄の5歳の息子は私の両親が育てている。本当に心配。できれば日本で私が育てたい」と沈痛の面持ちだ。

 自身も帰郷するたび、地元の公安に呼び出され、在日ウイグル人の動向を探るスパイになるよう何度も誘われたと明かす。ある時、手渡された封筒には日本円で50万円ほどが入っていたという。突き返したものの、こうした状況に恐怖を感じ、日本国籍を取得した。

 2人とも拘束される恐れがあり、帰郷できないでいる。

 ◇

 トルコ人と同じテュルク系民族のウイグル人は人口1100万人ほど。イスラム教を信仰し、漢人とは異なり彫りの深い顔立ちの人も少なくない。

 国連人種差別撤廃委員会は昨年8月、中国に対する審査報告書で数万人から100万人以上が収容所に収監されていると推定。直ちに解放するよう勧告した。

 日本在住者は日本国籍取得者も含め2千人ほどといわれる。県内在住のある男性は「神奈川にはモスクもあり、数十人は住んでいる」と話す。

 この男性は「帰郷するたびに、街中からウイグル人の姿が少なくなっていった。最初は気のせいかとも思っていたが、私の身近でも拘束されるようになり、確信に変わった」という。ウイグル人団体などによると、収監者は一般の住民のほか、元公務員や大学教授、企業トップ、芸能人、スポーツ選手など職業、年齢は多岐にわたる。

 国際的な批判を受け、中国政府は収容所について、「寄宿舎やキャンパスのようなもの」「暴力テロ防止のための再教育が目的。教育が終われば規模を徐々に縮小する」などと釈明。ウイグル人が中国社会に適応できるよう、中国語学習や職業訓練が行われていると主張する。

 しかし、実際に収容されていた人の話は中国政府の説明と大きく異なる。

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