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時代の正体 地域格差考
「消滅」の危機 県内も(上)衰退 首都圏の地方

時代の正体 神奈川新聞  2019年05月10日 10:51

山北町共和地区の廃校を利用した「共和のもりセンター」。人口減少が続く中、地域再生の拠点となっている=同町皆瀬川
山北町共和地区の廃校を利用した「共和のもりセンター」。人口減少が続く中、地域再生の拠点となっている=同町皆瀬川

 都市の光がまばゆいほどに影は深まる。横浜、川崎の街並みには若々しい息吹があふれ、高層ビル建設の槌(つち)音が絶え間なく響く。視線を県西部に移せば、逃れる術(すべ)を見いだせず、重い鎖につながれたような閉塞(へいそく)感が小さな町々を覆う。人口減は地域経済の低迷を呼び、さらなる人材流出を招く。首都圏にありながら、県内でも拡大の一途をたどる地域格差。「消滅」の危うささえ漂う中、その土地に生きる人々は縮む現実を受け止め、しかし抗(あらが)い、生き残る道を模索する。

 四半世紀の時を経て、野原は華やぎに満ちた都市に生まれ変わった。平成の胎動とともに発展を遂げた横浜北東部の港北ニュータウン。市営地下鉄センター南駅(同市都筑区)前のショッピングモールにはイルミネーションがきらめき、家族連れの笑顔を照らす。

 1994年、港北ニュータウンを中心に人口11万939人で発足した同区。開発とともに流入が続き、今年3月1月現在で当初の約1・9倍となる21万1797人に達した。

 爆発的な人口増は落ち着いたとはいえ、時代のニーズを捉えた小売店、飲食店が新たな人波を呼ぶ。成熟した街はなお、進化をやめない。

 東名高速道路を西へ進む。喧噪(けんそう)から約60キロ。山里の静けさは一層深まっている。

 県内3番目の広さを誇る山北町。平成が幕を開けた1989年に1万4055人を数えた人口は、今年3月1日現在で9808人にまで減った。30年間で約3割の人口を失った計算だ。この10年間で見れば、約2千人減と過疎化の波は激しさを増している。

 2014年、町は民間有識者組織から「消滅可能性都市」と名指しされた。10~40年の30年間で20~30代の女性が半分以下になると試算されたためだった。

 出生率が上昇しても若年女性の流出が上回るため人口減少が続き、最終的には消滅の恐れがあるとされる。県内では山北のほか、三浦、大井、松田、箱根、真鶴、湯河原、二宮、清川の1市6町1村も同様に分類されている。

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