1. ホーム
  2. 社会
  3. 検証・日銀(上)藤井元財務相に聞く ばらまきは必ず弊害

検証・日銀(上)藤井元財務相に聞く ばらまきは必ず弊害

社会 神奈川新聞  2016年09月19日 11:23

政府・日銀の金融政策について論評する藤井裕久元財務相=都内
政府・日銀の金融政策について論評する藤井裕久元財務相=都内

 日銀は20、21日、大規模な金融緩和の「総括的な検証」を行う。「常識を超えて巨額」「次元が違う」(黒田東彦総裁)という異次元緩和は何をもたらし、どんな影響を与えていくのか。旧大蔵省出身で蔵相、財務相などを務め、日本経済を長年見つめてきた藤井裕久氏(84)は「目先は変えるが、大きな落とし穴がある。必ず弊害が起きる」と警鐘を鳴らしている。

 -日銀が2013年4月に大規模な金融緩和を導入してから3年半近く経過した。政府・日銀の金融政策に対する評価は。

 「安倍晋三政権の金融を中心とする経済政策は間違っている。なぜなら、金融緩和でカネをばらまいて経済を良くしようとした後はすべて国内総生産(GDP)がマイナス成長になっている。佐藤栄作内閣のときに1ドル=360円の固定相場が崩れた対策として、次の田中角栄内閣では石油価格の高騰に対応するためカネをばらまいた。結果どうだったか。1974(昭和49)年に戦後初めてGDPの成長率がマイナスになった。その後も、プラザ合意、ITバブル崩壊、リーマン・ショックへの対応で金融を緩和してカネをばらまき、結果としてマイナス成長になった。そして2014年、安倍政権の下でGDPの成長率がマイナスになった。金融を緩和してカネをばらまくのは、決してプラスにはならないという歴史的な事実がある」

 「カネをばらまくというのは、経済を『ふんわか』としたものにすること。後で必ず締めないといけない。昭和初期には、1929(昭和4)年に始まった大恐慌に対応するために、高橋是清蔵相が日銀による国債の直接引き受けを行った。だが、いつかこんな異常なことは止めなければいけない、後は自分の責任で収めるとして、事実収めた。国債を買わなくなり財政を締めたので軍部が反発し、若手軍人に殺された。これが、二・二六事件。今度はそんなことにはならないと思うが、収めどきは難しい。必ず弊害が起きる。日本では金融緩和でばらまいた後は、すべてマイナス成長。だから、安倍金融政策に反対だ」

突然、超インフレに

 -日銀は2年程度で2%の物価上昇目標を掲げたが、実現できていない。大規模金融緩和で世の中に出回るお金の量を増やしても、物価が上がるという「インフレ期待」は高まらず、消費行動にも結びつかないものなのか。

 「現実にそうなっていない。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら


シェアする